自動運転車の普及、駐車する代わりに低速で走行し続ける車増加か

2019年2月8日 13:44

 自動運転車の普及によって都市部の渋滞が解消されるのではないかとの期待があるが、米カリフォルニア大学サンタクルーズ校の研究者によると、実際には渋滞は解消せず、むしろ都市部の車の速度が遅くなる可能性もあるという(MIT Technology ReviewTransport Policy誌掲載論文)。

 渋滞の原因としては、自動運転車では「移動」と「駐車」の境目が曖昧になることが挙げられている。たとえば自動運転車で目的地に移動して乗っている人を降ろした後、その付近に駐車せずに別の場所にある駐車場や家に移動したり、その周辺を自動で移動し続けるということが発生しうるという。こういった状況では低速で移動したほうがコストが安くなるため、その影響で全体的に車両の速度が低下するという。実際、サンフランシスコをモデルとしたシミュレーションでは、駐車料金が安くなる一方で移動に要する時間は長くなるという結果が得られたそうだ。

 また、この問題の解決方法として特定区域内にいる時間に応じて料金を徴収するようなシステムや、距離/燃料ベースでの通行料支払いのようなシステムが考えられるとされている。

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