トヨタ、車の月額定額サービス開始へ 新会社「KINTO」設立
2019年2月6日 18:15
トヨタ自動車(愛知県豊田市)は5日、車の定額利用サービス(サブスクリプション)のための新会社「KINTO(キント)」を設立したと発表し、6日、東京都内でトライアルサービスを開始した。毎月、定額を支払えば、新車に乗ることができるサービスで、登録費用や自動車税、任意保険料などを別に支払う必要もない。定額サービスは音楽や映像の配信サービスで普及しているが、今後、車の利用にも広がっていくのか注目される。
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キントは、トヨタの金融子会社トヨタファイナンシャルサービス(名古屋市西区)とリース大手の住友三井オートサービス(東京都新宿区)が出資して設立した。資本金は18億円で、トヨタ側の出資比率は66.6%。
新たに開始したサービスの名称も「キント」とし、3年間(36カ月)で1台の車に乗り続ける「KINTO ONE(キント・ワン)」と3年間で6種類のレクサスブランド車を乗り換えることができる「KINTO SELECT(キント・セレクト)」の2種類のサービスを提供する。「セレクト」の対象車は、レクサスのスポーツクーペ、セダン、SUV(多目的スポーツ車)の6車種で、半年ごとに新車のハイブリッド車に乗り換えることが可能。また、「ワン」はプリウス、カローラスポーツ、アルファード、ヴェルファイア、クラウンの5車種から新車を選ぶことができる。
6日から「セレクト」のサービスを始め、3月1日からは「ワン」のサービスも開始する。当初は、東京都内でトライアルとして実施するが、夏以降、サービスを全国展開し、秋からは対象車両も拡大していくという。料金は、「ワン」が車種により異なるが、最も安いプリウスの場合月額4万9,788円(税込)から、「セレクト」は月額19万4,400円。「ワン」はトヨタ販売店、「セレクト」はレクサス販売店で申し込みを受け付け、今後はインターネットでの申し込みも行っていく。
車の定額利用サービスはIT企業のナイル(東京都品川区)が「カルモ」、中古車大手のIDOM(東京都千代田区)が「ノレル」の名称で既に実施しているが、大手自動車メーカーが参入するのは初めて。
トヨタは「車を単なる移動手段として利用するのではなく、利活用を前提としながら、好きな車・乗りたい車を自由に選び、気軽に楽しみたいというニーズが高まっている。もっと気楽に楽しく車と付き合える新しい車の持ち方を提案していきたい」としている。