NGT事件 第三者委員会に求められるものとは?
2019年2月5日 19:22
2月1日、NGT48の運営会社であるAKSは、公式サイトにおいて、懸案となっている山口真帆さん暴行被害事件において、第三者委員会を設置したことを報告した。
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この委員会は日弁連による『第三者委員会ガイドライン』沿って、AKSとは利害関係のない独自性を有するものとして、3名の弁護士が選ばれている。ここで、およそ1カ月半を目途に、事実関係を調査してAKSの取締役会に報告され、その内容をAKSから一般に報告するとのことだ。そして、NGTは研究生公演を経て、2月より正規メンバーによる公演を再開することになる。
しかしながら、5日、約1カ月ぶりに、この事件の当事者である山口真帆がTwitterを更新したのだが、その際、プロフィールに記載されていたNGT48の表記が削除されていた。さらに、メンバーの菅原りこ、長谷川玲奈、村雲楓香のSNSプロフからもNGT48の表記が消されており、ファンの間では問題視されている。
表記が消えたのが、運営の指示なら山口の離脱(?)があったと勘繰られるし、本人の意志であれば、彼女が現状にいまだ納得できておらず、動きが遅い運営への意思表示である可能性もあるということだろう。
NGTに入るにあたり、過去の友人関係のすべてを切り捨ててきたという、凄まじい覚悟を持ち、勇気ある告発を行った山口へのアイドルとしての評価は高く、NGTもこの削除に関して、山口の卒業はないことをコメントしているが、問題を鎮静化させたい運営への反旗を翻したともとれるこの行動(しかも同調者までいることが明らかになった)は、運営にしてみればかなりのダメージとなってしまうだろう。
そうなると、第三者委員会の調査、そして結論にますます注目が集まるところであるが、現在アナウンスされている内容や人選で、不安を感じてしまうのは記者だけではないのではないだろうか?
第三者委員会は、今回の件について「その背景についても(調査する)」という一文を入れてはいるものの、果たしてどこまで切り込むことができるのだろう?
当初運営は、弁護士を含めた識者という形で第三者員会の人選を進めていたという話があったように思うのだが、結果としては弁護士のみ。そして、弁護士は法律上の問題については専門家ではあるだろうが、今回の件は、法的な部分だけで結論づけられるものではない。
例えば、ビジネスモデルとして、握手会商法はどうあるべきか、運営管理者としてメンバーたちのセキュリティーは万全であるかどうか、またアイドルという特殊な状況にある未成年を含めた多くの少女たちに、どのように対応していくべきか……。
こうしたことを考えると、第三者委員会には、セキュリティの専門家や教育関係者、さらにカウンセラーや経済評論家なども必要不可欠なのではないかと考えるのだ。第三者委員会は、犯人を名指ししてつるし上げることが目的でもないし、AKSがメンツを保つための結論を作文する組織でもない。もっというなら、NGTがこれまで通りの活動をするにはどうすればいいかなんていうことは考える必要はない。
現状、メンバーが何を考え、何を問題視し、何について発言したいのかをしっかり運営に伝え、運営がきちんときめ細かくそれぞれの問題に対応するためにはどうしたらいいのかを考え、提言する場所であってほしい。
さらに付け加えるなら、この事件、被害者はもちろん、加害者であると名指しされ攻撃されたメンバーにとっても、とてつもない心の傷を与えてしまっている事実を、運営とファン(やアンチ)は認識し、もう一度自分たちの行動について考えて欲しい。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る)