NEC、3Q累計売上収益は前年比3.2%増 KMD Holdingの買収を決定
2019年2月3日 23:44
目次
森田隆之氏:CFOの森田でございます。今日は多数お集まりいただきまして、本当にありがとうございます。それでは、本日発表させていただきました、2018年度第3四半期の決算概要について、ご説明させていただきます。
私からは、このページにありますとおり、第3四半期の決算概要、そして次に年間の業績予想についてご説明させていただきます。なお、年間の業績予想については、期初の計画から変更はございません。
第3四半期 実績サマリー
それでははじめに、決算の概要についてご説明をさせていただきます。
4ページをご覧ください。第3四半期、(2018年)10-12月の3ヶ月の売上収益は6,982億円、営業利益は29億円、税引前利益が47億円、当期損益が15億円の損失となりました。
9ヶ月累計では、売上収益が2兆347億円、営業利益が167億円、税引前利益が265億円、当期損益が77億円の利益となりました。
事業構造改善費用として、250億円を今期計上したことにより、3ヶ月の営業利益は前年同期に比べて減少しております。事業構造改善費用の内容については、この後詳しく説明させていただきます。
税引前利益は、前年同期に比べて47億円、当期損益は3億円、それぞれ悪化しております。
なお、第3四半期のフリー・キャッシュ・フローは458億円の支出となり、前年同期に比べて87億円の悪化でございます。
セグメント別 第3四半期実績サマリー
5ページです。第3四半期の実績を、セグメント別に表にしたものでございます。
パブリックの損益が大きく改善した一方、事業構造改善費用の影響で、システムプラットフォームや調整額が悪化いたしました。
収益構造改革の実施状況
6ページをご覧ください。ここでは、セグメント別の業績の説明に先立ちまして、第3四半期に実施した構造改革についてご説明させていただきます。
特別転進支援施策につきましては、2,170名の応募があり、約200億円の事業構造改善費用を計上いたしました。この約200億円のセグメント別の内訳を、スライドの右側でお示ししております。
このほかの施策として、グループ外への出向・転籍、また、発表させていただきましたNECライティングの事業譲渡により、合計約3,000名の人員が減少する見込みでございます。
これに加えて、この第3四半期に研究リソースの配置転換・最適化を目的として、筑波研究所を稼働停止することに決定いたしました。この施策に関連する費用の約50億円を、調整額に計上しております。
それでは、次のページから、第3四半期の実績をセグメント別にご説明させていただきます。
パブリック
7ページは、パブリックです。
売上収益は、社会基盤領域で航空宇宙・防衛向けを中心に全般的に増加したことに加えまして、社会公共領域でも消防・防災が増加し、前年同期に比べて3.1パーセント増加し、2,284億円となりました。
営業利益は、事業構造改善費用で30億円を計上したものの、売上増に加えまして、不採算案件の減少により、前年同期に比べて100億円改善し、156億円の利益となりました。
エンタープライズ
次に、8ページのエンタープライズでございます。
売上収益は流通・サービス業向け、金融業向けが増加いたしました。その結果、前年同期に比べて6.7パーセント増加、1,060億円となりました。なお、流通・サービス業向けは、コンビニエンスストア・金融業向けは、保険証券向けがそれぞれ好調でした。
営業利益は、10億円の事業構造改善費用に加えまして、前期にもご説明しておりますけれども、全社のIoT基盤が商用段階に移ったことに伴いまして、ビジネスユニット間での開発費の見直しによって、エンタープライズは10億円の負担増がありましたけれども、売上増によりこの影響を吸収し、前年同期に比べて2億円改善し、96億円の利益となりました。
ネットワークサービス
次に、ネットワークサービスです。
売上収益は、通信事業者の設備投資が依然として低調に推移しております。(それに)従い、売上収益は横ばいとなりました。
一方、営業利益については、20億円の事業構造改善費用を計上したことにより、前年同期に比べて5億円減少、27億円の利益でございます。
システムプラットフォーム
10ページは、システムプラットフォームです。
売上収益はビジネスPCが増加したことにより、前年同期に比べて1.6パーセント増加し、1,330億円となりました。
営業利益は、80億円の事業構造改善費用を計上したことによりまして、前年同期に比べて88億円の減少、5億円の利益となっております。
グローバル
次に、グローバルです。
売上収益はディスプレイが減少も、一方でセーフティは増加し、全体として前年同期並みになりました。
営業損益は、ディスプレイが減益になったことに加えて、10億円の事業構造改善費用を計上しておりますが、ワイヤレスソリューションが改善し、前年同期に比べて8億円改善して、48億円の損失となりました。
グローバル事業の状況
12ページで、少しグローバルの内訳について、主として売上を中心にご説明させていただきます。左の棒グラフは、グローバルに含まれる主要事業の売上規模のイメージでございます。右側では、おもな事業の第3四半期の売上の状況をご説明しています。
セーフティは、Northgate Public Services Limitedの新規連結により、前年同期と比べて増収となりました。
サービスプロバイダソリューションは前年同期並みの売上、ワイヤレスソリューションも売上は横ばいです。海洋システムは増収になりました。
ディスプレイは北米の競争激化を受け、減収となりました。
当期損益増減(前年同期比)
13ページは、当期損益の増減です。
営業損益が41億円減少したことに加えて、金融損益が6億円悪化した一方で、法人所得税費用が42億円改善したことなどにより、当期損益は前年同期に比べて3億円減少となる15億円の損失となりました。
経営トピックス
14ページは、第3四半期の経営トピックスでございます。
すでに発表しておりますけれども、昨年(2018年)末12月27日に、KMD Holdingの買収を決定いたしました。これは、「NEC Safer Cities」の強化の一環として、政府のデジタル化で先行するデンマークにおける最大手のIT企業であるKMD Holdingを買収することによって、デジタルガバメント領域におけるプラットフォームを活用したビジネスモデルの獲得を狙ったものでございます。本買収は、(2019年)2月末の完了を予定しております。
当社は買収完了後、NEC、Northgate Public Services Limited、KMD Holdingの3社間のシナジーを創出し、クロスセルによる拡販、NECの生体認証「Bio-IDiom(バイオイディオム)」、最先端AI技術群である「NEC the WISE」と、KMD Holdingのもつ各種ソフトウェアを組み合わせた、新たな顧客価値創出に取り組んでまいります。
業績予想サマリー
続いて、年間の業績予想についてご説明させていただきます。16ページをご覧ください。
年間の業績予想は、2018年4月27日に公表した計画から変更はしておりません。(2018年)4月から12月までの9ヶ月間の累積では、社内の計画に対して、売上高で約670億円、営業利益で約190億円、それぞれ上振れている状況です。ですが、年間では、上振れを期待できるセグメントとリスクがあるセグメントの両方がございます。
加えて、2019年度以降の業績改善、さらに2020中期経営計画の実現に向けて、今年度内に実現可能な施策をぎりぎりまで検討して、実行できるものはすべて実行していきたいと考えております。
したがって、この点を踏まえまして、業績予想の変更は行っておりません。
国内事業環境認識
17ページをご覧ください。
ここでは、スライド左側で国内ITサービスの受注の状況、スライド右側でITサービス以外も含めた、連結ベースのエンタープライズとパブリックの受注の状況をお示ししています。
ご覧のとおり、国内の事業環境は引き続き良好であります。この第3四半期までの受注の伸長を追い風として、エンタープライズ・パブリックを中心に、年間計画に対する上振れを期待できると考えております。
グローバル事業の年間見通し
18ページは、グローバル事業の営業損益の年間見通しについて、補足説明をさせていただきます。
左の棒グラフは、グローバル事業の営業損益の上期(実績)・第3四半期(実績)と年間予想をお示ししています。この第3四半期はグローバル事業全体で、前年同期と比べて8億円改善です。9ヶ月累計では、年間280億円の改善計画に対して、現時点で67億円の改善にとどまっております。
個々の事業別に見ますと、セーフティやワイヤレスソリューションは計画どおりに改善が進んでおりますが、一方でサービスプロバイダソリューション・エネルギー・ディスプレイにつきましては、上期決算時にお伝えしたリスクが依然として残っている状態でございます。引き続き、グローバルビジネスについては、収益改善努力を継続しているところでございます。
来年度の収益改善に向けた施策について
来年度に向けた収益改善の施策について、もう少しご説明をさせていただきたいと思います。
この第3四半期に実施済みの施策については、冒頭でご説明させていただきましたとおりでございますが、第4四半期にもNECプラットフォームズの生産拠点再編、NECライティングの構造改革、NECグループにおけるオフィスフロアの効率化によるSGA削減等の実施が予定されております。
さらに海外拠点の効率化、加えて開発投資の前倒しなど、来年度の費用低減・リスク低減につながるような施策についても、現在検討を進めておりまして、これを実行してまいりたいと考えております。
最後に、これまでに説明いたしましたとおり、グローバル事業での計画に対するリスクを好調な国内事業で吸収し、通期の業績予想については、しっかり着実に達成したいと考えております。
加えて、繰り返しになりますが、年度内に実行可能な施策を引き続き最後まで検討し、実行できるものをすべて今年度中に実行することで、2019年度、さらに2020中期経営計画の実現につなげていきたいと考えております。
以上をもちまして、決算概要の説明を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。