生田絵梨花写真集『インターミッション』初週17.9万部の快挙の理由は?
2019年2月1日 19:30
乃木坂46生田絵梨花写真集『インターミッション』が、最新オリコン週間BOOKランキングで初週売り上げ17.9万部という数字を叩き出して1位に躍り出た。
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この数字は異例のもので、初週売り上げというジャンルでは、平成最大のベストセラー写真集である白石麻衣の『パスポート』に10万部近い差をつけていることになる(もちろん、初版部数は『インターミッション』のほうが多いためでもあるが)。
2000部売れればセーフ、5000部売れれば好調、1万部越えれば大ヒットと言われる写真集の概念を、乃木坂が完全にぶち壊してしまっているのは快挙といって間違いない。
さらに記者が都内の書店で取材したところ、1人で何十冊も買うというアイドル特有の爆買いはほとんどなく、多くの客が1~2冊ずつ買っていく姿が多かった。男女比は7:3といったところだろうか……。
それにしても、いまさら言うまでもないが、乃木坂の写真集の強さは凄まじい。これは、モデルとなるメンバーの人気があるということだけでは説明できないほどの事象だとしか思えない。
写真集が売れないことをネタにしていた若月佑美の『パレット』や高山一実の『恋かもしれない』であっても2万部をこえている。プライベートをメンバーが撮り合った『乃木撮』も記録的なヒットになっている。その理由を探すべく、それぞれの写真集を見直していたのだが、ようやく自分なりに納得できる結論が出た。
すべての本、特に雑誌や写真集にはページ単位の購読率のようなものが存在する。
きちんとしたデータになってはいないだろうが、1冊の本の中で、すべてのページを同じ割合で読む読者というのは存在せず、グラビアページであるとか、特集企画記事であるとか、人気連載漫画のように、ほとんどの読者が目を通すページもあれば、ほとんどページを開かれることのないページというのも存在する。
写真集も同じで、わかり易く言えば、水着や下着、ヌードのページは何度も読まれるが、着衣のページは飛ばされてしまうことが非常に多いというのが定説でもある。
しかしながら、例えばこの生田絵梨花の「インターミッション」で言えば、確かにランジェリーのセクシーショットも話題になっているが、それ以上にブロードウェイの通りを和服とドレスで歩いている写真に目を奪われた人も多いのではないかと思う。
写真集の主役は、間違いなくモデルである。しかしながら、乃木坂の写真集では、生田ならニューヨーク、白石の『パスポート』なら西海岸、井上小百合の『存在』ならスイス、北野日奈子の『空気の色』ならストックホルムと、撮影した場所の美しさも際立っている。
モデルは、そういた町の風景に解け込み、それでいて主役としての存在感をしっかりと保っている。アイドルの写真集で、こういう撮影場所の美しさに改めて気づかされたのは、少なくとも記者にとっては初めてのことだ。
乃木坂メンバーの武器といえば、「素材感」。
これは記者が初期から感じていたことであるが、アイドルとしての存在感と、どんな色にでも染まることができる素材感を両立できているのは、現状、乃木坂しかないような気がする。彼女たちの写真集が、女性を含め、広く浅く高評価を受けることができているのは、この素材感を失わない部分が大きい。
まだ、手に取っていない人も、是非一度彼女たちの写真集に目を通してみて欲しいと思う。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る)