QUEENの映画もノミネート!第91回アカデミー賞の作品賞に輝くのはどれだ
2019年1月30日 14:38
■アカデミー賞の「作品賞」に輝く可能性のある注目作は?
年度末になれば、アメリカ映画界では恒例となっているアカデミー賞が開催される。1年間に上映された作品が各部門にノミネートされ、どの部門をどの作品が受賞するのか。映画ファンならずとも、自分が見た作品がいずれかの賞にノミネートされていると思わず注目してしまうものだ。
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第91回アカデミー賞では、年末に空前のQUEENブームを巻き起こした「ボヘミアン・ラプソディ」が作品賞を始め、多くの賞にノミネートされたことから、注目したいる人も多いのではないだろうか。今回は、アカデミー賞の中で最も注目される作品賞にノミネートされている作品を見てみたい。
■アメリカで空前のブームを起こした「ブラックパンサー」
全米興行収入7億ドル(日本円で約765億円)という歴代3位になる大ヒットを記録した「ブラックパンサー」。こちらの作品はいわゆるマーベル作品のスピンオフのような形で2018年に上演されたが、予想の斜め上をいく重厚なストーリーが話題となり、作品賞にノミネートされる形となった。
超文明国ワカンダの国王である父をテロ行為によって失ったティ・チャラ(チャドウィック・ボーズマン)。王族は自国に眠る文明を守ることが使命でり、そのために代々「ブラックパンサー」となって侵入者を排除していたのだった。突然の父の死を悼む時間もないまま、チャラも陰謀に立ち向かうためブラックパンサーとなる。
ヒーローの活躍とアクションが目立つかと思いきや、国王となったチャラが国と世界の二者択一を迫られるシーンもしっかりと描いている。ヒーローといえば「スーパーマン」や「キャプテンアメリカ」などのイメージが強い中、新しいヒーロー像を確立した点も本作を語る上で欠かせない部分だ。
■QUEENブームに再び火をつけた「ボヘミアン・ラプソディ」
日本での興行収入が100億円を突破したモンスター級の映画が「ボヘミアン・ラプソディ」だ。本作品はQUEENのボーカルであるフレディ・マーキュリーの半生を描くと共に、20世紀最大のチャリティコンサートと呼ばれている「ライブエイド」のパフォーマンスに焦点を当てた映画だ。
QUEENやフレディをあまり知らない人でも映画を見ればわかる程度に人生を映し出した上で、そのラストに彼が最高のパフォーマンスを見せた「ライブエイド」を、主演のラミ・マレックが熱演。制作チームにはQUEENのバンドメンバーが協力していることもあり、その再現度とライブ感の演出には圧倒されてしまう。
たしかに前半のフレディの半生を描く部分は単調なところがあるも、それらはすべてラストのライブシーンが吹き飛ばしてくれる。「ローリング・ストーン」誌でも「脚本の欠点は音楽が埋めてくれる」や「映画の欠陥なんてクソ食らえである。マレックの演技を見逃す訳にはいかない」などと評されており、今回のアカデミー賞作品賞のダークホース的存在とも言える。
■新しい映画の概念を作る可能性を秘めた「ROMA/ローマ」
動画配信サービスの中でも勢いのある「Netflix」オリジナル作品でありながら、作品賞にノミネートされたのが「ROMA/ローマ」だ。賞レースにノミネートされたこともあって順次劇場でも公開されているが、配信サービス限定だった作品がノミネートされるのは異例とも言えるだろう。
監督は衝撃の作品とも言われた「ゼロ・グラビティ」でアカデミー賞監督賞を獲得したアルフォンソ・キュアロン。本作は監督自身の子供時代を投影しつつ、1970年代のメキシコを舞台に展開されているようだ。「ゼロ・グラビティ」とは違って濃厚な人間ドラマをモノクロにて映し出した本作であり、芸術的要素が評価されれば作品賞も大いにあり得る作品だ。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る)