オリックス、3Q累計の新規投資額は8,100億円 4Q以降の貢献を見込む

2019年1月29日 23:43

業績総括(1)

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矢野人磨呂氏:オリックス財経本部長の矢野です。本日はご多忙のところ電話会議にご参加いただき、誠にありがとうございます。これから2019年3月期第3四半期の決算説明をさせていただきますが、その前に一言、本日の開示の件で申し上げたいと思います。

毎回、我々は3時半の開示ということで進めていたのですけれども、今回社内の事務手続きの問題で早く開示をしてしまいました。この件でみなさまを混乱させてしまって申し訳ございません。現在詳しい状況を確認中なのですけれども、また必要に応じて、あらためてご説明させていただけたらと思います。

それでは、内容について説明を始めさせていただきたいと思います。お手元の決算資料の2ページ目、業績総括をお開きください。

まずは、当期純利益とROEです。2019年3月期第3四半期の当期純利益は、2,362億円となりました。昨年度通期の当期純利益の3,131億円から、仮に4パーセント成長を実施した場合の進捗率は、約73パーセントとなります。当第3四半期では、株式会社大京に関しまして、2018年12月10日に公開買付を終了いたしました。それに伴い、大京の未分配利益に対して計上していた繰延税金負債の取り崩しがあったことによる、法人税等の減少がありました。

年換算でのROEは11.5パーセントと、中期的な目標である11パーセント以上を維持しております。一方、新規投資ですが、第3四半期累計の新規投資額は8,100億円となりました。すでに、昨年度通期の新規投資額の7,400億円を超えており、将来の成長に向けて積極的な新規投資を進めております。

業績総括(2)

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次のページをご覧ください。次は、セグメント利益の推移です。

当期のセグメント利益の合計は、2,978億円となりました。セグメント別では右の表をご覧いただきますとおり、リテールセグメント・不動産セグメントでは増益、事業投資セグメント・法人金融サービスセグメント・海外セグメント・メンテナンスリースセグメントでは、減益となりました。

事業投資セグメントや法人金融サービスセグメントでは、前期に大きな売却益を計上したため、その反動減となっております。また一部、マーケットの変動による利益減少の影響を受けています。

一方、航空機や生命保険、コンセッションなどは引き続き順調であり、そのほかレンタル事業や銀行クレジットなども利益を下支えしています。詳しくは、各セグメントのページでご説明させていただきます。

業績総括(3)

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それでは、次のページをご覧ください。次は、セグメント資産とROAの推移です。

当期のセグメント資産は9兆9,093億円となり、前期末比で8,104億円、9パーセントの増加となりました。ROAについては、前期末とほぼ同水準の3.3パーセントです。

資産が増加したのは、海外セグメント・リテールセグメント・事業投資セグメント・メンテナンスリースセグメントです。とくに海外では、米国におけるローン組成およびアセットマネジメント会社であるNXT Capitalの買収および、航空機リース会社であるAvolon Holdingsの株式取得に伴い、大きく資産が増加しています。

PE投資の分野では、国内において酪農機械を取り扱う会社であるコーンズ・エージーへの出資、海外では米国の通信インフラの設置・保守サービス会社であるNTI Connectを買収するなど、将来の成長を見込む分野において、積極的な資産の積み増しを行っています。

セグメント別業績(1)法人金融サービス

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次のページから、各セグメント別にご説明させていただきます。まずは、法人金融セグメントです。

このセグメントの利益は、前年同期比47パーセント減の198億円となりました。前年同期に関連会社株式と有価証券の売却益を計上していたことにより、大きく減益となりました。また、今期はマーケット変動による上場株式の評価減・評価損なども、影響が一部ありました。

収益については、リース貸付金残高の減少により金融収益が減少していますが、サービス収入は前年同期比で増加しています。生命保険や通信サービスなどの各種手数料収入が、収益を下支えしています。また、新たな取り組みとして、今後は我々の強みである全国の中小企業の顧客基盤を活かし、事業承継ニーズを取り込んでいきたいと考えています。

活動を始めたところ、多くの引き合いもあり、具体的な案件を検討中です。セグメント資産はファイナンス・リースが減少したため、前期末比2パーセント減の9,749億円となりました。

セグメント別業績(2)メンテナンスリース

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それでは、次のページをご覧ください。メンテナンスリースセグメントです。

このセグメントの利益は、前年同期比で2パーセント減の304億円となりました。自動車事業は厳しい競争環境ながら、積極的な資産積み増しを実行し、収益を伸ばしております。しかしながら、利益に関しましては前年同期比で減少しました。

一方、電子計測器やIT関連機器などのレンタル事業については、堅調に推移しております。昨年度の2018年1月に買収した、受変電設備の製造およびレンタルを行う淀川変圧器においても、グループネットワークの活用により、収益・利益ともに順調に伸ばしています。

セグメント資産では、前期末比2パーセント増加の8,624億円となりました。主に、自動車リースの資産を積み上げております。

セグメント別業績(3)不動産

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それでは、次のページをご覧ください。不動産セグメントです。

こちらの利益は、前年同期比で6パーセント増の554億円となりました。当期においては、第1四半期に運営施設である大阪のホテルユニバーサルポートの売却を実施しましたが、その後、当第2四半期・第3四半期においても、賃貸不動産等の売却を進めました。主にそれらの売却益が貢献し、前年同期比で増益となりました。

セグメント資産は前述のとおり、物件売却を積極的に行ったため、前期末比8パーセント減の5,681億円となりましたが、一方でホテル・物流施設等の開発も進めております。宿泊施設においては今期、沖縄・大阪・京都で新規の開業をいたしました。

また、2018年11月に、オリックス・ゴルフ・マネジメントの事業譲渡に関するお知らせを発表させていただきました。今期中にクロージングし、売却益を計上する予定です。今後もマーケット環境を意識しながら事業ポートフォリオの入れ替えを行い、そうすることでオリックスグループの企業価値の向上に努めてまいります。

セグメント別業績(4)事業投資

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それでは、次のページをご覧ください。事業投資セグメントです。

ここのセグメント利益は、前年同期比で51パーセント減の304億円となりました。前年同期は、PE投資先のエグジットや旧オリックス電力の売却など、大口売却益があったため、当期はその反動減となっております。また、PE投資先からの取り込み利益も、前年同期比で減少しています。

大京に関しましては、昨年度よりも第4四半期に販売が偏重している計画であることから、前年同期比で減益となりました。この大京は、現在事業投資セグメントに計上されていますが、今後不動産セグメントに移管する予定です。オリックスの不動産事業との相互補完を行い、事業の連動性を一層強化し、総合不動産グループとして一体での中期的な成長を目指していきます。

コンセッション事業ですが、この事業の利益貢献は第3四半期累計で95億円でした。関西空港における台風被害の影響を受け、利用される方々にご迷惑をおかけしましたが、前年同期比で増益を維持しております。通期でも、前期比増益を達成する見込みです。

セグメント資産は、前期末比12パーセント増の9,590億円となりました。PE投資において2018年12月に出資したコーンズ・エージーは、酪農機械や農業関連機械の輸入販売に加え、設置・施工やメンテナンスも手掛けるトータルエンジニアリング会社です。

とくに、搾乳ロボットの国内販売でトップシェアを誇る同社は、労働力不足が深刻な酪農・農業において大きな成長が期待されます。今後、オリックスグループの専門性をもとに業務提携の拡大など、企業価値向上に向けた取り組みを行ってまいります。

そのほか、環境エネルギーでも資産が増加しました。国内太陽光発電に関しましては、約1,000メガワットの案件を確保していますが、そのうち約780メガワットが稼働済みです。

セグメント別業績(5)リテール

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次のページをご覧ください。リテールセグメントです。

ここのセグメント利益は、前年同期比5パーセント増の662億円となりました。旧ハートフォード生命を除くオリックス生命・銀行・クレジットにおいて、増益となっております。

この旧ハートフォード生命なのですが、ここは変額保険から発生する利益の変動リスクを、デリバティブ等を使ってヘッジをしています。しかし、保険とデリバティブの会計処理が違うため、経済的なヘッジが有効でも、マーケットの変動により短期的に損益が出るケースがあります。以前もございました。昨年末の株価の下落等マーケットの急変により、今回損失が発生していますが、中期的には解消する仕組みとなっております。

一方、オリックス生命では保険契約が順調に増加しており、生命保険業収入も増加しております。また、オリックス銀行では、投資用不動産ローンの残高の順調な積み上げを行っております。クレジットでは、外部の金融機関との保証残高を積み上げており、銀行・クレジットともに金融収益が増加しています。

セグメント資産は、前期末比7パーセント増の3兆3,961億円となりました。オリックス生命の有価証券の増加とオリックス銀行の営業貸付金の増加が、主な要因です。

セグメント別業績(6)海外

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最後のセグメントが、海外です。

海外のセグメント利益は、前年同期比13パーセント減の956億円となりました。インドにおける関連会社の損失計上が主な原因となり、減益となりました。そのほか、オリックス・ヨーロッパはマーケット環境の悪化等により、減益となっております。一方、アメリカや航空機事業は、引き続き堅調に推移しております。

セグメント資産は、先ほど申し上げたNXT Capitalの買収やAvolonへの出資などにより、大幅に増加しました。Avolonへの出資は、2018年11月に完了しております。今後も高い成長が期待される航空機リースマーケットにおいて、一層のプレゼンス向上を図ります。このAvolonは、実質的には当第4四半期より利益に貢献する予定です。

また、海外でのPE投資分野において2018年12月に買収したNTI Connectは、通信関連事業者向けに光ファイバーやデータセンターといった通信インフラ設備の設置から、保守・メンテナンス・修繕工事まで幅広いサービスを提供する会社です。今後、デジタルトランスフォーメーションによる通信インフラ更新需要を取り込んでいき、既存の投資先とのシナジーも図っていきます。今後とも成長を見込む分野に対し、積極的な投資を継続していきます。

以上が、セグメント別の業績となります。

まとめ

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最後のページをご覧ください。本日のまとめです。

2019年3月期第3四半期累計の当期純利益は2,362億円、ROEは年換算で11.5パーセントとなりました。

新規投資額は、累計で8,100億円となりました。今期はNXT Capital、Avolon、大京などの投資案件をすでに発表しており、また第3四半期ではPE投資分野において、国内および海外で投資案件を実行するなど、将来に向けた新規投資は着実に進んでおります。

今後も環境の変化に対応しながら資産の入れ替えを図り、成長を継続していきたいと考えております。私からの説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。

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