カレー粉にPM2.5の炎症反応を抑える効果が ハウスと京大の共同研究
2019年1月23日 09:49
ハウス食品(東京都千代田区)は22日、カレー粉とカレー粉に含まれるスパイスに、PM2.5によって引き起こされる炎症反応を抑える効果があることを京都大学の高野裕久教授(環境健康科学)との共同研究で確認したと発表した。研究成果は、2月1日から名古屋市で開催される第89回日本衛生学会学術総会で発表される。
【こちらも】日本の国民食「カレー」も食べる頻度や自炊は減少傾向に マイボイスコム調査
PM2.5は石炭や石油、薪などを燃やしたときに生じる微小な粒子状の大気汚染物質で、人が吸い込むと肺の奥にまで入り込み、細胞を傷つけ炎症などを引き起こす。このため、気管支喘息などの呼吸器系疾患や循環器系疾患の危険因子とされているが、微小なためマスクをつけていても完全に防ぐことは難しい。
ハウス食品では、長年、カレーの健康への効果を研究しているが、カレーをよく食べる高齢者は呼吸機能が良好に保たれているとの報告があることに注目。カレー粉やカレー粉に含まれるスパイスに、PM2.5による炎症反応を抑制する効果があるのかを実験した。
実験では、ヒトの気道上皮細胞をPM2.5の一種であるディーゼル排気微粒子を混ぜた養液に浸した後、カレー粉のほか、スパイスのクローブ、ウコンの抽出物を細胞に添加して培養。炎症が起きたときに分泌される物質の量などを調べた。この結果、いずれも炎症を抑制する効果があることがわかったという。
また、クローブとウコンを除いたカレー粉にも炎症を抑制する効果が確認できたことから、他のスパイスを使って同様の実験をしたところ、コリアンダーと桂皮でも同様の効果が確認できた。
これらの実験結果より、ハウス食品では、PM2.5による呼吸機能低下の予防対策として、カレーを食べることが有効である可能性があるとしており、今後もカレーの健康への良い影響について研究していく方針だ。