無くならない飲酒運転 死亡事故率は8倍にも
2019年1月20日 18:56
飲酒運転に対する厳罰化が実施されて久しいが、飲酒運転撲滅までの道のりはまだ長いのが現状だ。毎年飲酒運転の検挙数は年々減少傾向ではあるものの、2009年以降は減少幅が縮小しており厳罰化も厳しい取り締まりも抑止力を失いつつある。毎年3,000件以上の飲酒運転に起因する交通事故があり、死亡率も高くなっているため注意が必要だ。
飲酒運転に関しては07年に福岡県で起こった重大事故が社会問題となり、飲酒運転厳罰化の流れができ上った。その後08年の飲酒運転厳罰化、10年の行政処分強化によって順調に飲酒運転の検挙数は減少してきた。現在は呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15ミリグラム以上0.25ミリグラム未満の酒気帯び運転で基礎点数13点、免許停止90日となり、アルコール濃度が0.25ミリグラム以上の場合には基礎点数25点、欠格期間2年の免許取消となる。アルコールの影響で正常に車両の運転ができないと判断される酒酔い運転では基礎点数35点、欠格期間3年の免許取消だ。この行政処分に加え、車両を運転した者、車両を提供した者、酒類を提供した者、車両に同乗した者にも刑事処分が科されることになった。
こうした厳しい行政処分、刑事処分にもかかわらず飲酒運転は下げ止まりだ。17年12月1日に全国2,500ヶ所で実施された飲酒運転の全国一斉取り締まりでは一晩で3113件が検挙され、23名が逮捕された。飲酒運転が無くならない背景には、多くの人が「捕まらなければ大丈夫」、「自分は大丈夫だろう」という根拠のない自信を持っていることがある。しかしわずかな飲酒でも運転手の判断能力や運転能力を低下させることが確認されている。実際全国で起こる死亡事故の割合は0.68%である一方、飲酒事故は5.67%と8倍に跳ね上がる。
飲酒運転は重大な犯罪であり、他の人を巻き込む事故を起こすことも珍しくない。いついかなる時でも「飲んだら乗るな」を実践して自分と他の人の身を守るよう努力すべきだろう。(編集担当:久保田雄城)