東芝、IoTデータの長期アーカイブを実現 スケールアウト型DBの機能強化

2019年1月19日 11:45

 東芝デジタルソリューションズは15日、IoTやビッグデータに適したスケールアウト型データベース(DB)「GridDB」の機能強化版を提供すると発表した。

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 IoT(モノのインターネット)を構成するセンサーノードから逐次取得されるデータの種類は多様であり、センサーの稼働に合わせた少量のデータがリアルタイムに発生。この少量のデータも数十年も蓄積していくと膨大なデータ量になる。このデータから将来何が起こるかを予測、ビックデータ解析に期待する効果だ。

 この膨大なデータ、ビックデータ解析が終了すればデータを廃棄する。この廃棄という対策が、製造現場では難しい。それは、トレーサビリティー(いつ、どこで、どのように製造されたのかを追跡できる仕組み)の確保を、製品の安全性や品質観点から要求されるからだ。

 IoTの普及は、このビックデータを蓄積するデータストレージ市場に新たな復興期を迎える。例えば、磁気テープ市場ではIBM、ソニー、富士フィルムらが磁気密度向上に向けた研究開発に凌ぎを削る。

 確かに、磁気テープの高密度化は安価なデータストレージとして最適であろうが、データのアクセス性能は劣る。トレーサビリティーに加えて、頻繁に過去のデータを参照したい用途には、高速アクセス可能なメモリと共にSSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)との組み合わせが最適だ。ストレージのリソースを増やすことでデータ量の増大に対応できるスケールアウト型データベースはその本命である一方で、データ量の増大のたびにリソースを増やすことは、システムの運用・保守の煩わしさを招く。

 今回のGridDB強化版V4.1の発表は、長期保存が必要なデータを外部のアーカイブファイルに保存する「長期アーカイブ機能」を備えることで、稼働しているDB全体に負荷を与えない構成だ。

●GridDB V4.1の特長

 キーコンテナ型DBという独自の構成を採り、キーで高速検索が可能になる。それを支えるのがメモリ指向アーキテクチャーだ。ギガバイト級のメモリを搭載し、読み書き時間を最適化。IO効率を改善したことで、10億件超のデータ蓄積でも安定した性能を維持。

 また、DBのアクセス言語は、SQL(Structured Query Language)を拡張したNoSQL(Not Only SQL)を採用。キー検索を可能にした。

●データベース(東芝、GridDB)のテクノロジー

 2016年にGridDBをオープンソース化。GitHub上にNoSQL機能をソース公開し、IoTデータ管理向けのスケールアウト型DBでのビックデータ技術の普及促進を図るとともに、他のオープンソースとの連携を強化する。

 GridDBの普及は、東芝のドル箱であるフラッシュメモリ、加えてSSDやHDD商品の需要を大きく喚起するであろう。メモリ指向アーキテクチャーがDBの主流になるかが問われる。(記事:小池豊・記事一覧を見る

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