ワイズ ピンク、2019年春夏コレクション発表 蓄積したアイデンティティー

2019年1月8日 21:52

 ワイズ ピンク(Y's Pink)は、2019年春夏コレクションを発表した。

■“ワイズ ピンク ism”をストレートに表現

 “ISM”をテーマに掲げた今季は「らしさ」を大切にし、アイデンティティーを素直に重ね合わせたコレクションを展開。ワイズ ピンクだけでなく、Y'sやヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)にも通底する、オーセンティックなスタイルをストレートに表現した。

■縦長のフォルム

 クラシカルなスタイルを体現しているのはIラインをなぞる縦長のフォルム。ウエストを絞り、襟を大きく仕立てたロングコートは、タイトなフィット感でシャープな雰囲気を強調する。布の落ち感を利用した、シンプルでストレートなデザインのロングドレスは、堂々としたマニッシュな趣と優雅さが共存した1着だ。

■“切り込み”を入れたアイテム

 また、サイドにスリットを施したツイルのジャケットや、フロントのファスナーを開けて着たドレスなど、端正な形のアイテムにあえて“切り込み”や“開き”のディテールを加えた表現が散見された。シンプルではあるが、ただ1本の“切り込み”が正統派のウェアにあしらわれるだけで、より軽やかでアヴァンギャルドな抜け感が生み出されている。

■ヴィンテージ・古着のエッセンス

 エッセンスとして用いられたのは、ヴィンテージや古着の表現。レトロなドットとラインのテキスタイルは、ロングドレスやパンツ、ブラウスに落とし込まれ、スタイリングにポップな存在感を残す。ブラウスやカットソーの上からレイヤードしたマクラメ編みのニットも、プリミティブで装飾的な空気感を演出。また、黒、白、ベージュといったベーシックな色彩に差し込まれる、ブルーやレッドの鮮烈な色合いもまた、どこか懐古的でありながらエネルギッシュなアクセントを効かせる。

 褪せたような色調のジャカードは、模様にロゴを織り交ぜることで現代的な要素をプラス。タックを取り民族調に仕立てたスカートに、アクティブなパーカーのトップスを組み合わせたセットアップは、意外性のあるアイテム同士がナチュラルに調和している。スタイリングを全身でとらえると、エスニックでもあり、レトロでもあり、現代的なアクティブさも持ち合わせており、名前の付けがたい存在感を放っていることに気付く。

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