強弱交錯する米経済指標、世界的な株価の下落は止まるのか?! 住信SBIネット銀行(三井智映子)
2019年1月8日 13:20
*13:20JST 強弱交錯する米経済指標、世界的な株価の下落は止まるのか?! 住信SBIネット銀行(三井智映子)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター三井智映子です。先週から2019年の市場がスタートしましたね。今回は2019年最初の「住信SBIネット銀行の気になるレポート」となります。皆さま、明けましておめでとうございます。
3日のダウ平均は、前日の米アップルが中国販売の低迷から2018年10-12月期の売上高予想の下方修正を発表したことが重しとなり、前日比660ドル02セント安の2万2,686ドル22セントと3営業日ぶりに大幅反落となりました。それを受けて1月4日、2019年大発会の午前の東京株式市場の日経平均株価は、前営業日比452円81銭安の1万9,561円96銭と続落し、大発会としては3年ぶりに下落し、20,000円割れでスタートしました。
4日に発表された12月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が31.2万人増と予想の17.7万人を大きく上振れ、失業率は3.9%と予想3.7%を下回る結果に。インフレ指標として注目される平均時給は前月比+0.4%、前年比+3.2%と予想の0.3%、3.0%をそれぞれ上回り、賃金上昇の加速を示しました。米労働市場の強さが見える結果となり、米景気の減速懸念が和らいだことで米10年国債利回りは2.6%台と上昇しました(価格は下落)。
週明け7日の日経平均は大幅反発でスタートしましたが、今週のマーケットはどうなるのか?チェックすべきポイントについて住信SBIネット銀行の「ウィークリーレポート」を見てまいりましょう。
レポートではまず、NY株式市場や米長期金利が下げ止まるのかに注目しており、『NY株式市場、債券市場が落ち着きを取り戻すか最大の焦点になると考えられます』と伝えています。
米市場については、『強弱交錯する米経済指標のどちらが米国経済の実体をより反映しているのかを見極める一週間となるかもしれません』と考察。加えて、『1月7日-8日にかけて予定される米中次官級による通商交渉に進展が見られるのか、さらに日本時間10日午前4時には利上げを決めた12月18-19日開催のFOMC議事要旨が公表されるだけにパウエルFRB議長が声明文発表後の会見内容や記者との質疑応答の中でバランスシートの圧縮に対して述べた内容を確認することになり、債券・株式市場の反応を含めて注目されます』と分析しています。
経済指標については、『先週末4日に発表された米12月雇用統計での時間給賃金が市場予想を上回る中、今週は11日に米12月消費者物価指数が発表されるだけにFRBのインフレ見通しや3月までのFOMCにも影響を及ぼす可能性もあるだけに注目すべき重要な指標の一つとなります』と示唆しているほか、『メキシコとの国境の壁建設を巡る予算案が承認されないまま米国では一部政府系機関閉鎖の長期化が続いているほか、米中通商交渉問題を巡る決着の行方など不透明感が残った状況が続いています』と伝えています。
また、11日に予定されるトルコ中銀の政策委員会について、『トルコ中銀は昨年9月13日に17.75%の政策金利を24.0%へ引き上げて以降、10月25日、12月13日と過去2回の中銀理事会で政策金利を据え置いていますが、この間、消費者物価指数は低下傾向にあるほか、GDPも減速が顕著となっているだけに、11日のトルコ中銀の結果次第では一波乱あるかもしれません』と分析しています。
そして、懸念が続くイギリスのEU離脱については、『来週14日の週に英議会でEU離脱協定案の採決が予定されており、7日から休会明けとなる英議会で9−10日にこの問題について審議を再開する意向をメイ首相が昨年12月20日に明らかにしています』と述べており、『採決を前にしての審議の行方次第では合意無き離脱(ハードブレグジット)の懸念が高まる可能性もあり英ポンドの動向が注目されます』との見解を示しています。
年末年始は薄商いのなか、ボラティリティが高い相場展開となっていますね。亥年の相場格言は「亥固まる」ですが、2020年の「子(ね)は繁栄」につながるように新しいステージに進むために足場を固められるのか、今年もご一緒に毎週チェックしてまいりましょう。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「ウィークリーレポート」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。
フィスコマーケットレポーター 三井智映子《HH》