ピンチをチャンスに変えた欅坂46の年末攻勢

2018年12月27日 19:42

 欅坂の主砲、あるいは象徴ともいえる絶対的センター、平手友梨奈が、怪我や体調面の不安定で、ダンスパフォーマンスを伴う活動の休止を発表したのが、12月21日のこと。

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 紅白をはじめ、テレビ局での大型歌番組への出演が不可能ということで、果たしてどうなるかと心配されているようだったが、いざ蓋をあけてみたところ、予想外の高評価をうんでいる。

 ミュージックステーションスーパーライブでは、ダンス巧者の鈴本美愉がセンターとなり、迫力と抜群のキレで視聴者をあっといわせ、クリスマスイブに放送されたカウントダウンTVでは、JJ専属モデルも務める土生瑞穂がセンターで高身長を活かしたダイナミックなダンスを披露し、強烈な印象をファンに残した。どちらも、番組終了後、「欅坂のセンターをやっていた子は誰だ?」という反響が非常に大きかったのである。

 これまで、欅坂は絶対的センターである平手の存在、そして全員選抜という焦点を絞りづらい構成のため、どうしても平手中心に話題になることが多く、メンバー個人個人の知名度やキャラクターの浸透度ということになると、乃木坂やけやき坂に比べ劣っていたと言わざるを得なかった。

 そして、体調不良や映画の撮影などで平手が抜けてしまうと、戦力(あるいは一般的な魅力)が半減したように映ってしまい、今一つ実力を正当に評価されがたい部分が最大の弱点であったように記者は感じている。

 しかしながら、この年末の歌番組での日替わり(?)センターで、メンバーたちがしっかりとスキルを磨き、全体的なレベルの底上げができていることを見せつけたのは、来年以降に向けての大きな道標になったのではないかと思われる。

 鈴本は、初期からダンスの上手さはファンの間では知られていたが、非常に緊張するタイプなのか、トークになると発言がふわふわしてつかみどころがなくなってしまい、成立させるのが難しいメンバーであった。土生はその恵まれたスタイルから、モデルとしてランウェイを歩くなどの活躍をしていながら、どうしても自分に自信が持てない控えめな性格が災いして、自分から前に出られないという弱みがあった。だが、共に今回のパフォーマンスが自信となって、積極性が身につくだろうし、その他のメンバーも自分が主役になるチャンスが増え、そこで結果を出さないといけないという緊張感が、さらに洗練したパフォーマンスを追い求める原動力になると思われる。

 誤解して欲しくないのだが、平手がいらないというわけではない。

 「平手がいない欅坂は欅坂じゃない」という極端な考え方は、メンバーにとっても平手にとっても重荷でしかないわけで、むしろ誰がセンターになっても「欅坂クオリティーのパフォーマンスは見せつけられるのだ」という信頼感を与える、そしてファンが持つことが、彼女たちにとって、何よりの後押しになると思うのだ。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る

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