世界の自動運転車、40年には4412万台で全体の3割超に LIDAR市場も本格化

2018年12月26日 22:16

 富士キメラ総研は25日、「自動運転・AIカー」の世界市場調査結果を発表した。2017年にAudiとGMによる発売(レベル3、条件付き運転自動化)で幕を開けた「自動運転・AIカー」市場は、その後もメーカー各社が熾烈な開発競争を続けていることから、40年には4,412万台と世界自動車販売台数の33.0%に拡大すると予測している。

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■自動運転・AIカーの国・地域別販売状況(レベル3以上)

 レベル3以上にて現時点において投入が進んでいるのはEU。排ガス不正によるディーゼル車禁止など環境保護政策を背景に、マイカーを所有しない「MaaS」への転換から自動運転車の普及がいち早く進んでいる。

 北米は移動手段が主に自動車であることから、自動運転車両についても一般ユーザーのニーズが高く、20年頃より実用化が加速するとしている。

 中国は官民一体によるEV開発が加速しており、連動してAIによる自動運転車両の市場も拡大するとしている。渋滞が常態化している北京や上海を背景に、中国主要地域における消費者ニーズも高まっていることから、市場は大きな可能性を秘めている。

 日本もトヨタを始め各メーカーが自動運転の実用化に注力している。ゴルフカート国内8割、世界ではシェア3割を誇る「ヤマハ発動機」はゴルフカートをベースにした自動運転車を来年1月にラスベガスで行われる見本市に出展。AIが乗客の「顔」や「しぐさ」を見分けるなど高い技術力をアピールするという。

 ただし日本はインフラや法整備などにおいて課題が山積であることから、20年代においても自動運転車市場は限定的としている。

■注目のLIDAR

 市場の注目デバイスとしては、「LIDAR」をあげている。40年には17年比約1,000倍の1兆7,066億円と予測。「LIDAR」とは光を用いたリモートセンシング技術で、車や障害物など周辺情報を把握できる。自動運転の空間情報検知には不可欠であることから、25年頃には製品化・量産化が実現し、市場が活性化するとしている。

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