TANの2019年春夏コレクション 重ねて、結んで、巻き付けるニットの構築的レイヤード

2018年12月25日 22:18

 TAN(タン)の、2019年春夏コレクションを紹介。

■ニットならではの造形と質感

 TANが織り成す、ニットのドレス、ブラウス、ビスチェ、ベルト、パンツ……。編地ならではの反り返りやドレープ、立体感が生まれ、服が生き生きとした躍動感に満ちている。ランダムなひだのブラウスとスカートのコーディネートは、ナチュラルに身体に馴染んでいく。緩やかな曲線を描くパンツは、裾のあたりで形を絞ることでフェミニンなムードを演出する。

■一体感のあるセットアップ

 目の覚めるようなライトブルーのセットアップは、レース編みとプレーンな編地がコントラストを描き、アーティスティックな存在感を放つ。まるで1着の服を着ているかのような一体感のあるコーディネートは、アイテム1つ1つのフォルムを生かした、絶妙なバランス感で成り立っている。

■構築的レイヤード

 アイテムを組み合わせて、独創的な着こなしを自在に作り出せるのもTANの魅力。後ろ側だけを覆うような形のスカートは、ワンピースの上に組み合わせるとメリハリのあるシルエットを描き出し、ジャケットの上から着用すると、アヴァンギャルドになる。ミントグリーンのトップスの上から着たオレンジのベストは、脇の部分が空いているデザイン。重ねて着た瞬間に、あたかもレイヤードされている状態が当たり前であるかのように、服のパーツの一部へと変化する。

■“紐”で巻く、結ぶ

 服の元々の形に左右されない、“巻き付ける”“結ぶ”といった動作によって生まれる着こなしの遊びも注目したいポイント。ギンガムチェックのリボンは、たすきのように身体の前で交差させたり、ウエストで重ねてアシンメトリーなベルトのように使ったり、着こなしに自由な発想でアクセントを与える。

 長いフリンジをあしらった民族調のコルセットや、肩紐とは別に首にかける紐を配した薄く軽やかなキャミソールドレス、紐で固定する巻きスカートなど、“紐”というパーツのプリミティブさと繊細さを感じさせるウェアが散見された。

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