関西3空港懇、8年ぶりび再開 自治体や住民は警戒感も
2018年12月25日 13:55
12月25日付神戸新聞によれば、関西、大阪(伊丹)、神戸空港の在り方を話し合う「関西3空港懇談会」(座長:松本正義・関西経済連合会会長)が24日、大阪市内で8年ぶりに開催されたとのことである。
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同懇談会は2003年に「3空港の役割分担を協議するため」に発足したものだが、なぜ今回8年ぶりに再開されることになったのか。特に伊丹、神戸周辺の自治体や住民は同懇談会の話し合いの行方に警戒心を持って見守っている。
そもそも、伊丹・神戸両空港は国内線専用で、国際線の発着は「関空」に限定されている。これには、関空が多額の負債を抱えており、それを救済するために関空に国際線を集中させたという経緯がある。
しかし、今年に入り訪日外国人数が急増し、2020年には東京オリンピック・パラリンピック、2025年には大阪万博も開催されることになり、国際線の需要は益々増大することが予想される。国際線が関空だけでは訪日、特に関西を訪れる訪日客を逃すのではないかとの懸念も持たれている。
今までに何度となく兵庫県や神戸市が発着枠や運用時間の規制緩和を国に要求しても、関西全体の合意が必要との理由で実現されなかった。今回兵庫県が関西経済連合会に再三要望した結果やっと再開されたのものである。
兵庫県の井戸敏三知事は24日の懇談会において、運用規制の見直し、発着便枠の倍増、国際チャーター便の解禁などを求めた。結局今回の会合においての結論は持ち越されたが、周辺住民は警戒心を強めているとのことである。
伊丹空港では騒音問題裁判で15年間も争い、その結果、運用時間を夜9時までとする合意がなされた。また、伊丹・神戸地区において国際線はダメだというのが住民の総意であるのに、今になって国際線の議論を始めるのは納得がいかないとの声も上がっている。
関西の今後の発展のための施策と住民の総意が対立する中で、双方が納得する結論を引き出すのは容易なことではない。(記事:kan1713・記事一覧を見る)