拡大続ける中食需要 スーパー・コンビニの惣菜市場、17年度は3兆7477億円に

2018年12月23日 16:25

 TPCマーケティングリサーチの調査によると、2017年度のスーパー惣菜とコンビニのファーストフード(CVS・FF)市場は、前年比1.9%増の3兆7,477億円であることがわかった。共働き世帯の増加による時短ニーズの拡大や少子高齢化の進展などを背景に今後も成長を続け、2018年度は3兆8,271億円、2020年度には4兆180億円規模に達すると予測する。

 調査対象企業は、スーパーが、イオンリテール、イトーヨーカ堂、ユニー、西友、ライフコーポレーション、イズミヤ、平和堂。コンビニが、セブン‐イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソン。調査期間は9月~12月。対象となった商品は、おにぎりや弁当の米飯類に、スーパーではコロッケなどの揚げ物やサラダ、焼き鳥など、コンビニでは、調理パンや調理麺、カウンターフーズなど。

■スーパー・コンビニともに市場拡大
 分野別では、CVS・FFが構成比64.9%の2兆4930億円(前年比2.2%増)、スーパー惣菜が同35.1%の1兆3341億円(同1.5%増)だった。CVS・FF市場は、おにぎりとカウンターFFが特に好調で、前年比約3%増となった。後者については、「焼き鳥」の販売強化に加え、「夕食のおかず」ニーズに対応した商品開発が売上増につながっていると分析する。スーパー惣菜市場は、定番のコロッケや唐揚げなどが売上を伸ばしているほか、健康志向の高まりからサラダ類のニーズが拡大したことが成長の要因とする。米飯類では弁当が好調に推移し、自社開発の高価格帯アイテムなども伸長しているという。

■売上高トップはセブンイレブン
 調査対象企業の売上高ランキングでは、セブン‐イレブン・ジャパンが前年比4.5%増の9,985億円でトップ。次いで、ファミリーマートが同2.6%減の5,536億円、ローソンが同6.1%増の4,431億円、イオンリテールが同1.0%増の1,825億円と、コンビニ大手がトップ3を占めた。セブンイレブンについては、特におにぎり、調理パン、調理麺が前年比約5%増と好調に推移。定番商品のリニューアルが奏功したと分析する。前年に引き続き「中食構造改革」を推進したファミリーマートは、おにぎり、サンドイッチ、カウンターFFなどのリニューアルを実施したものの、不採算店舗の閉店による店舗数の減少が響き、ダウン推移となった。(記事:西舘妙子・記事一覧を見る

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