日本人の現金払い キャッシュレスへの意識は薄い

2018年12月21日 09:12

 ネットプロテクションズは、NP後払い等自社サービスの利用会員である男女のうち、1261名を対象にキャッシュレス決済に関する意識調査を実施した。ネットショッピングを除いた直近半年間の買い物について、アンケートの結果61%の人が支払いに現金を選択している事が分かった。これに対してクレジットカード決済は28%にとどまっている。

 日本では海外に比べてキャッシュレス化が遅れている。日本人の多くは現金主義の傾向が強く、キャッシュレス化を促進させたい政府の期待通りにはなかなか動いていない。消費税の増税に合わせてキャッシュレス決済を対象にポイント還元の実施案なども盛り込まれているが、これによって現金主義を貫いてきた人々の支払い方法に大きな変化が生まれるかどうかは定かでないだろう。

 キャッシュレス決済を行うことのメリットはいくつかある。わざわざ紙幣や小銭を持ち歩く必要がなくなるのもその一つだ。あるいは支払いが楽であるなど、支払いを行う側の利便性が強調される事も少なくない。しかしネットプロテクションズの調査によれば、現金払いをしている人のうち57%は現状に不便さを感じていないと答えている。その一方でクレジットカードによる決済については、支払い過ぎを心配する人が36 %も存在した。

 現金払いに不便さを感じていない消費者に対し、便利だからカード決済にした方が良いと促してもあまり効果は期待できない。使いすぎの恐れがあるクレジットカードを無理に利用するより、使い慣れた現金で支払いを続けたいと思うのも当然の事なのかもしれない。

 とは言え現金払いを貫く事にもいくつかのデメリットはある。物を買いたい場合でも手持ちが不足していれば現金での支払いは行えず、それによって買い控えをした経験がある人は69%もいた事が判明した。所持金が不足しているときに別の支払い方法があれば困らずに済む。しかし現金以外で利用したい決済方法についての質問には、55%の人が後払い決済と答えた。これについてはクレジットカードを使わずに後から支払えるといった理由が目立っている。日本人の中にある現金払いへの根強い安心感が窺えるだろう。(減収担当:久保田雄城)

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