科学技術研究費、17年度は19兆504億円 3年ぶり増で過去最高に 総務省調査

2018年12月15日 16:58

 総務省の発表によると、2017年度の科学技術研究費の総額は19兆504億円となり、3年ぶりに増加した他、企業の技術輸出入額も2年ぶりに増加したことが分かった。

【こちらも】自動車産業で急増する研究開発費 その投資リターンをどう見たらいいのか?

■研究費は過去最高に

 14日、総務省が2018年の科学技術研究調査結果を発表した。これによると、2017年度の科学技術研究費の総額は、前年度比3.4%増の19兆504億円となり、3年ぶりに増加したとともに過去最高の金額になった。また、国内総生産(GDP)に対する研究費の割合は3.48%となり、前年度から0.05ポイント増加した。

■企業の研究費が13兆円

 研究費の内、13兆7,980億円は企業の研究費で、大学等が3兆6,418億円、非営利団体や公的機関が1兆6,097億円。費目別では、人件費が8兆3,539億円、原材料費が2兆5,936億円、有形固定資産購入費が1兆5,959億円、無形固定資産購入費が1,796億円、リース料が791億円、その他の経費が6兆2,483億円となっている。

■自動車などの研究に約3兆円

 企業研究費における業種別では製造業が11兆9,818億円と圧倒的に多く、次いで、学術研究、専門・技術サービス業(8,817億円)、情報通信業(6,062億円)、建設業(1,243億円)、卸売業(734億円)、電気・ガス・熱供給・水道業(588億円)など。製造業の中で最も多いのは輸送用機械器具製造業の3兆646億円。次いで、医薬品製造業(1兆4,653億円)、情報通信機械器具製造業(1兆3,374億円)、電子機械器具製造業(1兆1,255億円)、業務用機械器具製造業(1兆788億円)、化学工業(8,525億円)などとなっている。

■女性の研究者が過去最高に

 2018年3月31日時点の研究関係従業員者数は108万1,400人で、前年比2.0%増となり、2年連続で増加した。その内、研究者が86万7,000人(前年比:1.6%増)、研究事務その他の関係者が9万1,100人(同2.6%増)、研究補助者が6万6,400人(同3.4%増)、技能者が5万7,000人(同5.9%増)となっている。また、研究者1人当たりの研究費は2,197万円で、同1.8%増となり、2年ぶりに増加。女性の研究者は15万500人で、研究者に占める女性の比率は16.2%となり、どちらも過去最高となっている。

■技術の輸出入額は2年ぶりに増加

 2017年度の企業の技術輸出による受取額は3兆8,844億円で、前年度比8.7%増。一方、技術輸入による支払額は6,298億円で、同4.3%増だった。また、輸出分から輸入分を引いた技術貿易収支額は3兆2,546億円で、同4.3%増となり、3つの数字のいずれもが2年ぶりに増加している。(記事:県田勢・記事一覧を見る

関連記事

最新記事