JR東海、次世代特急車両のデザイン・技術を発表 ハイブリッド方式で

2018年12月13日 16:09

 東海旅客鉄道(JR東海)は、特急「ひだ」「南紀」に使用している85系気動車の更新を見据え、2019年末頃に走行試験を開始する予定となっている「ハイブリッド方式の次期特急車両(試験走行車)」のデザインと新技術について発表を行った。

【こちらも】JR東、中央線特急に新たな着席サービス 新型車両E353系導入で

 デザインについては、一言、「和」がコンセプトである。それも、同車両が走行することになる飛騨と南紀地方をイメージしたものになるという。

 エクステリアデザインは「漆器の持つまろやかさや艶のある質感」がコンセプト。先頭車の前面・上部・照明を滑らかな曲線形状にすることで、和を表現するとともに、また側面に繋がるオレンジ色の帯を曲線にすることで「躍動感」を表す。

 インテリアはグリーン車が「落ち着いた上質感」、普通車が「明るいワクワク感」をコンセプトとする。

 グリーン車は新緑や夕暮れの紫の空や川の水の色をイメージしたグラデーションカラーのシート、普通車は紅葉、祭り、花火などを表現したグラデーションカラーのシートとなる。内壁は、グリーン車が落ち着いた木目調、普通車が明るい木目調となる。

 車両設備としては、全座席にコンセントが設置、客室とデッキに防犯カメラを設置、グリーン車にはセミアクティブダンパという振動抑制機構が設けられる。

 肝心のハイブリッド方式については、エンジンで発電した電力と蓄電池に貯めた電力を組み合わせてモーターを回して走行するという形式である。安全性と快適性が向上し、環境負荷の低減も期待できる。

 その他、溶接個所を、重要溶接部に関しては約6割、従来電車と比べて削減。震動検知装置を設けて台車等の震動状態を常時監視し、万一の異常に備える。

 車両と地上間ではデータ通信を行い、車両状態のデータは車両基地などに送信され、メンテナンスに活用される。

 今後の計画としては、2019年末までに試験走行車を完成させ、1年かけて試験を行い、量産車の投入は2022年度を目標としているという。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

関連記事

最新記事