駅高架下に日本初の本格的大学施設 阪神電鉄と武庫川女子大学

2018年12月11日 20:03

 阪神電気鉄道(大阪市福島区)と武庫川女子大学(兵庫県西宮市)は10日、兵庫県県西宮市の同電鉄鳴尾駅の高架下に大学施設を設置し、地域の発展に寄与するとして、包括連携協定を結んだ。線路の高架下に本格的な大学施設を設けるのは全国で初めてといい、来年9月以降、順次施設をオープンすることにしている。

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 計画によると、鳴尾駅東側の高架下約2200平方メートルの用地を大学が借り、3つの施設を整備する。駅改札前に設けられ、最も大きな「武庫女ステーションキャンパス」(延べ床面積約700平方メートル)は、講義室や就職活動を支援するスペース、カフェレストランなどを整備。このほか、ジムやスタジオ、更衣室、シャワールームなど健康増進を図るためのトレーニング施設のある「武庫女ステーションキャンパス・アネックスI」と講義室やセミナールームのある「同・アネックスII」を設ける。大学では、これらの施設を多くの人々が集まる新たな活動拠点と位置付けており、施設は地域住民にも開放する。

 阪神電鉄は西宮市内の甲子園駅‐武庫川駅間約1.8キロの連続立体交差事業を行っており、昨年3月に全線が高架化された。この事業で高架駅となった鳴尾駅は武庫川女子大の最寄り駅であることから、駅のデザイン案を学生が作成したり、沿線のスポットを紹介する冊子を共同製作したりするなど、地域の活性化につながる取り組みを連携して行ってきた。

 今回の連続立体交差事業の完了によって生じる高架下の有効活用策についても検討していたところ、鳴尾・甲子園沿線で「地域と共生するまちづくり」を目指すことで一致、包括連携協定を結ぶことになったという。武庫川女子大が企業と包括連携協定を結ぶのは初めてで、阪神電鉄も沿線の街づくりを目的に協定を結ぶのは初めて。

 協定の調印は10日、同大学で瀬口和義学長と同電鉄の秦雅夫社長が出席して行われた。両者は「今後も地域住民に受け入れられるような活動を通じ、鳴尾エリアの活性化に向けた施策を検討していきたい」としている。

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