超高齢化社会 2025年問題に今から備え必要
2018年12月7日 09:06
高齢化によって深刻さを増す人材不足や公的年金の危機が叫ばれるようになってきた。しかしさらに深刻な状況が生じる恐れがあると多くの識者が警告している。それが「2025年問題」だ。来たる2025年問題に備えて、今から十分な対策と備えが必要になるだろう。
2025年問題とは、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる時代に起こる問題を指す。今後10年間ほどで日本の人口は15歳から64歳の生産年齢人口が7000万人ほどまでに減少することが予想されている。その一方で全人口に占める高齢者の割合は増加を続け、2025年には75歳以上の高齢者の割合は全人口の18%以上、65歳上の高齢者の割合は30%を超える。世界の国々が今まで経験したことのない超高齢社会に直面するのだ。加えて高齢者世帯の約7割が一人暮らしもしくは高齢者の夫婦のみの世帯になることも見込まれている。
2025年問題で懸念される大きなポイントは医療、社会保障、介護の三つだ。全人口の3人に1人が高齢者という社会では、当然医療費の増加が予想される。実際厚生労働省の推計では、2025年の医療保険給付は現在より12兆円以上増加し総額54兆円にのぼる。認知症患者も2010年の280万人に対し、2025年には470万人に増加するとの予測もある。医療費の膨張が続けば引き起こされるのが社会保障費の増大だ。高齢者に対して生産年齢人口は減少していくため、社会を支える側の数が足りず一人あたりの負担が増えていく恐れがある。さらに2025年には介護費用も膨大なものとなる。介護施設に入れない要介護者の増加も予想され、要介護者と介護者が両方とも認知症というケースも増えていくだろう。
非常に深刻な2025年問題だが、政府のみならず、各家庭でも対策を講じていくことが必要だろう。政府としては介護人材の育成や新規参入の促進、人材不足解消のためロボット・AI導入の促進などの対策を講じている。各家庭でも自分や両親の老後について家族と話し合う、私的年金を活用するなどして2025年問題に今から備えていくべきだ。(編集担当:久保田雄城)