ゲーミングスマホの最高峰「ROG Phone」 競合機凌駕のスペックでスマホの行方は?
2018年12月7日 16:51
スマホ(スマートフォン)が単なる携帯電話でないことは、改めて言うまでもない。その中に納められた機能は「マイクロパソコン」と表現しても支障のないようなスペックを秘めている。スマホを動かすアプリケーションソフトは通常「アプリ」と短縮表記させているためあまり意識されないが、基本的にはパソコンを動かすソフトと違いはない。つまり、パソコンにできることはスマホでもできる。
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ひと頃、日本の電車内で見慣れた光景は乗客の多くが新聞・雑誌や書籍を読み耽っている姿だった。まだ絶対数が少なかった外国人観光客などは、そんな光景を見て日常的に知識を求めている日本人の姿に、畏敬とある種の脅威を感じていたという。
そんな定番ともいえる電車内の景色は、ほとんどの人がスマホに見入る様子に取って代わられた。現在は車内で読書をする人はごく少数で、ほとんどの人がスマホを見たり、操作している。メールやSNSを見ている人もいるだろうし、ゲームに興じている人もいる。かつてのファミコンに象徴される専用ゲーム機でなくとも、全くレベルの違うゲームが楽しめる時代だ。
台湾のエイスース(ASUS)は11月23日、ゲームを楽しむ人のためにハイスペックなAndroidスマートフォン「ROG Phone(ZS600KL)」を発売した。6月に台湾で開催されたCOMPUTEX TAIPEI 2018というコンピューター関連装置の総合展示会でお披露目されて以降、日本での発売が期待されていた。ROG(Republic of Gamers)とは、ASUS内のゲーミング製品を専門とするブランドで、今回初めてスマホとゲーム機を融合させた新商品を発売した。ゲーミングに特化したブランドだけに、スマホゲームを快適にプレイする要素がふんだんに盛り込まれている。
プロセッサの「Snapdraon 845」はクアルコム公認の“オーバークロック”で、通常品のCPU部最大稼働周波数が最大2.8GHzであるのに対して、2.96GHzと一回り大きな能力を持つ。メモリのLPDDR4は、パソコンのメインメモリとして利用されることが多いDDR SDRAMの派生規格商品で、低電圧かつ低消費電力のLPDDR仕様である。
外部ストレージの増設は出来ないが、UFS 2.1という512GBの内部ストレージを装備し、OSとしてAndroid 8.1がインストールされている。
ディスプレイの解像度はフルHD+(1080×2160ピクセル)に到達し、6型有機ELでノッチ(切り欠き)はない。
カメラは1200万画素のアウトカメラをメインとし、広角800万画素カメラとのデュアルカメラに加えて、800万画素のシングルのインカメラで構成されている。スピーカーはバーチャルサラウンド再生に対応した高音質のサウンドが聞ける。バッテリーはQuick Charge 4.0やUSB Power Delivery(USB PD)での急速充電対応し、容量は4000mAhである。
上記のように、ハイエンドスマホに劣らない機能を搭載しているが、他のスマホとの際立つ違いは、AeroActive Coolerが付属していることだろう。ゲーム中の過熱を防ぐため効率よく本体を冷却する装置で、一般的なスマホにはあり得ない付属品だ。
SIMフリーで価格は税別11万9500円。オプションも充実しており、5種類の周辺機器の合計価格は税別で11万3360円にもなる。合計すると税別で23万2860円である。eスポーツが注目を浴びているとは言え、とんでもないゲーミングスマホが登場したものだ。ゲーミングスマホというよりも、「通話もできるゲーム機」の方が相応しいようなモンスターマシンの出現だ。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)