東北大など、介護施設向け配薬支援装置を開発 業務時間軽減に貢献
2018年12月2日 21:40
今日、介護の世界では人手不足が叫ばれて久しい。雇用と給与のミスマッチの問題など、論じていけばきりはないが、今回東北大学などが開発・発表したのは、介護施設職員の配薬業務の時間を短縮する事のできる、配役支援装置である。
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東北大学大学院医学系研究科(医学情報学分野 鈴木亮二助教)と石神製作所は、介護施設向けの配薬支援装置HSS-10を共同で研究開発し、12月3日より販売を開始する。テクノエイド協会の福祉用具コードを取得し、販売代理店を通して販売する予定となっている。また施設への導入に当たっては、各県の募集する介護ロボット導入支援事業費補助金の使用も提案していくという。
さて、鈴木教授はもともと、2012年から服薬支援装置の開発を行っていた。主には
在宅高齢者の服薬忘れ改善を目的としたもので、2015年に「見守り機能付き服薬支援装置ふっくん」の名で石神製作所から発売された。
これは在宅患者向けの製品だったわけであるが、グループホームでもニーズがあるということで、2017年からはこの技術を流用し、施設向けの配薬支援装置の研究開発に取り組んできたという。
この装置はロッカーのような形状をしており、幅900mm奥行400mm高さ770mm、重量約50kg。管理しやすい場所に設置して、定時に服薬する必要のある入所者のために、一回の服薬ごとに一包化されてまとめられた薬剤を、ドラムに3週間分巻き付けてセットしておく。一包化のできない漢方薬や目薬などを収納する薬剤ボックスもある。薬剤ドラムは10本備えており、入所者9名分の薬剤に対応できる。
服薬時間になるとオルゴールが鳴り、操作パネル上の入所者を示すボタンが橙色に点灯、扉を開けると服薬のある入所者の一包化薬剤がドラムから送り出されてくるという寸法である。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)