NYの視点:米パウエルFRB議長、景気への強気の見解維持か=講演
2018年11月28日 07:38
*07:38JST NYの視点:米パウエルFRB議長、景気への強気の見解維持か=講演
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は28日、NYエコノミッククラブで講演を予定している。投資家は議長が10月に示した「利上げ打ち止めには程遠い」との見解を修正するかどうかに焦点を当てている。10月の株式相場は急落。信用市場も著しいストレス状況を示している。このため、一部投資家はFRBがタカ派姿勢を緩めるのではないかと期待している。
しかしながら、パウエル議長がFRBの利上げ打ち止めを示唆する確率は非常に低いと考える。議長は、貿易戦争の激化、米国や世界経済の成長減速リスクへの懸念が浮上する中、「FRBは引き続き利上げ軌道の見直しを続ける」と繰り返す可能性が高い。
米連邦公開市場委員会(FOMC)は2019年に3回の利上げを予想している。一方で、投資家は慎重で、1回の利上げを織り込んでいるに過ぎない。FOMCメンバーは、経済の状況が維持できれば、緩やかな利上げを継続する可能性が強いと繰り返している。
議長の「金利は中立水準に程遠い」との見解が市場を震撼させた。市場は、速すぎる利上げを回避することをFRBが保証することを求めている。議長が28日の演説で、行き過ぎた利上げに踏み切らない確信を与えられるかどうかに注目していく。《CS》