JR四国、特急形気動車2700系を導入へ 2000系置き換えで 全席にコンセント
2018年11月27日 20:20
JR四国は26日、予讃線、土讃線、高徳線で使用されている特急形気動車2000系の置き換え用として新製していた、2700系特急形気動車が完成すると発表した。導入されるのは2両編成が2本、最高速度は130km/hとなる。
【こちらも】JR東、中央線特急に新たな着席サービス 新型車両E353系導入で
全座席へのコンセント配置や大型テーブルの採用など、充実した車内設備も特徴。外観は2017年8月にデビューした2600系を踏襲し、四国各地の地域性をカラーリングで表現している。
■四国の地域性を纏うデザイン
日本の伝統意匠をアレンジした「Neo Japonism(ネオ・ジャポニズム)」をデザインのコンセプトとしているため、安らぎと先進性を合わせ持った特急車両となっている。
さらに、特急列車が結ぶ徳島・高知~香川の各地域性をカラーリングに盛り込んで表現。徳島「阿波おどり」と高知「よさこい」の情熱にディープレッド使い、オリーブをモチーフに香川をイメージしたグリーンのラインを加えている。
■装備充実のインテリアも四国色
車内の快適装備は多彩だ。電源コンセントやドリンクホルダーのほか、コートフックを各座席に配置。座席にはリクライニング機構を採用して、座り心地の向上も図っている。各席のテーブルを大型化してノートパソコンなどを使用しやすくするといった工夫も。
客席の照明には2600系と同じタイプのLED照明とし、消費電力の削減とメンテナンスの軽減を図る。このほか、車いすに対応した多機能トイレや、非常通報装置(SOSボタン)、防犯カメラが車内に設置される。
座席の色には、高知から望む太平洋をイメージした「オーシャンブルー」と、徳島が育んできた「ジャパンブルー」を使用。モケットは、伝統文様をアレンジしたデザインだ。
■JR四国2000系
曲線区間でも高速運転可能な、世界初の「制御付自然振子式特急気動車」として、1989年3月から営業運転を開始した。
特急「うずしお」や特急「宇和海」など、JR四国を代表する特急列車として運用されてきたが、登場から30年近くが経過しているため老朽化が懸念されていた。(記事:山岡光・記事一覧を見る)