NASA、探査機「インサイト」火星着陸へ 地震は起きるか?内部構造に迫る

2018年11月26日 07:52

 米航空宇宙局(NASA)の無人探査機「InSight(インサイト)」が、26日午後(日本時間27日午前)に火星に着陸する。火星への着陸は難関とされており「恐怖の7分間」と言われる「EDL」(突入、降下、着陸)と呼ばれる重要なミッションがある。過去の実績から多くのことを学んではいても緊張の瞬間になるだろう。NASAのエンジニア達は、インサイトの機体状態の確認や軌道を示すデータのストリームを監視し、火星の天気予報も監視して、着陸に臨む。

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 インサイトは、地震計と熱伝達プローブを備えており、地震の回数や規模の計測を行う。火星は地球型惑星(岩石惑星)であり、太陽系では水星・金星・例外として衛生の月がそうである。インサイトは今回のミッションで火星内部探査を行う。地震以外に秤動と言われる自転や公転のぶれ(ほかの天体との干渉によって起きるとされている)を調べる。また地中の熱の流れを計測し、地下数千キロメートルにある火星のコアとマントルの規模や状態を調査することも期待される。

 火星表面の地形や地質はこれまでも調べられてきたが、火星の内部を本格的に調べるのは史上初となる。

 その他に「MarCO」呼ばれる2機のキューブサット(小型人工衛星)が積まれている。そのキューブサットは、自ら動きを調整して軌道に乗るような制御手段は持っておらず、インサイトが着陸する前に切り離される予定だ。キューブサットはこれまでも多数打ち上げられてきたが、別の惑星での利用は初の試みである。

 今回キューブサットは特に重要な実験はなく、火星の軌道にうまく乗ることが一番の目的とされている。故障に備えて2つ用意されており、いずれもデータを送受信するUHFアンテナと、数台の可視光低解像度カメラを搭載している。キューブサットがうまく火星の軌道に乗れば、インサイトの信号を地球に送る手助けをしてくれるかもしれない。

 フランス国立中央科学院(CNES)やドイツ航空宇宙センター(DLR)を含む多くの欧州パートナーがインサイトミッションを支援している。

 インサイトは5月5日、アトラスVにより打ち上げられた。

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