ソニー、IoT向けプロセッサ搭載ボード提供 AI開発を一気通貫で
2018年11月22日 08:20
ソニーは20日、IoT向けスマートセンシングプロセッサ搭載ボード「SPRESENSE」向けにディープラーニング(深層学習)統合開発環境「Neural Network Libraries/Console」で生成したプログラムを実行できるソフトウェア開発環境の提供を22日から開始すると発表した。
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人工知能(AI)で最も実用化が進んでいるディープラーニング。その覇権争いは熾烈だ。協業相手を集うために、AI開発環境(学習環境)、AI実行環境(推論環境)をオープン化。その先の、ディファクトスタンダードの地位と将来に亘る開発の主導権を確保する狙いがある。
ソニーは13日、ディープラーニングの開発用フレームワークである「NNL:Neural Network Libraries」と産業技術総合研究所(産総研)が構築・運用する「AI橋渡しクラウド(ABCI)」を活用して、ディープラーニングの学習速度において世界最高速を達成したと発表。この世界最高速は、従来の約半分である。半年前にオープン化した開発環境での学習プロセスの短縮をアピールする結果だ。
この学習プロセスの短縮に加えて、今回の発表は、推論を司るスマートセンシングプロセッサ搭載ボードの発表だ。学習プロセスをボードに組込み、AI実行環境で推論を行う。
●「SPRESENSE」の特長
IoT向けスマートセンシングプロセッサ搭載ボード「SPRESENSE」は、数センチメートルの精度で位置情報を得られるGNSS (Global Navigation Satellite System)受信機やハイレゾ音源対応のオーディオコーデックを内蔵。ドローン、スマートスピーカ、センシングカメラへの適用が可能だ。
通信手段は、広域通信を可能にするLPWA (Low Power Wide Area)をサポートする。
超低消費電力を製造プロセスで実現。バルクというシリコン基板に代わって、FD-SOI(完全空乏型シリコンオンインシュレーター)を採用。FD-SOIは、シリコン基板とシリコン膜の間に絶縁膜を設け、バルクで顕著であったリーク電流を無くす。
●IoT向けプロセッサ搭載ボード(ソニー、「SPRESENSE」)のテクノロジー
CMOSイメージセンサーでトップを走るソニー。ソニーの「SPRESENSEカメラボード」を「SPRENSENSEメインボード」と組み合せるだけで、AIによる様々な画像認識が可能になる。
このように、ディープラーニングの開発用フレームワーク、IoT向けのスマートセンシングプロセッサ、センサーを容易に連携することを可能にし、開発スピードを高める。(記事:小池豊・記事一覧を見る)