圧力センサーを組み合わせた床材で人の位置を検出 凸版印刷が開発
2018年11月20日 16:11
印刷会社大手で、建装材印刷も手掛ける凸版印刷(東京都千代田区)は19日、床材と圧力センサーを組み合わせることで、床の上にいる人の位置を検出する新たな建装材「ロケーションフロア」を開発したと発表した。高齢者の見守りサービスに活用できるなどとして、12月から住宅メーカーや医療・介護事業者、自治体などを対象に本格的な販売を開始する。
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開発された「ロケ―ションフロア」は、 通常の床材の下に「位置検出デバイス層」があり、人が床を踏むたびにセンサーが圧力によって発電。位置情報を発信することができる。このため、赤外線センサーや室内カメラを使った見守りサービスに比べ、機器を意識せずに生活することができるという。特に、トイレや脱衣所などプライベートな空間でありながらヒートショックなどで体調を崩しやすい場所での活用に適しているとしている。
また、自己発電を行うため、特別な配線工事も不要で、通常の床材と同様の施工が可能。新築だけでなく、リノベーションにも使うことができる。
同社は1956年から建装材の印刷事業を行っており、その60年以上の経験を生かそうと、IoT機器やセンサー技術を取り入れた新しい建装材を開発・提供する「トッパンIoT建材事業」を今年から始めた。「ロケーションフロア」はその第1弾で、今後、体重や体脂肪率などの身体情報を取得できる体組成計を組み込んだ床材や、ディスプレーと化粧板を組み合わせた壁材などを販売する予定。
体組成計を組み入れた床材は、日常生活の中で自然に体重などを測定することができ、専用ツールを使うことで家族それぞれの健康管理も行うことができる。また、ディスプレー付き壁材は、生活情報や地域情報などを受信し、壁に表示することができるという。同社は今後、IoT建材事業に力を入れていくことにしており、2025年までに約100億円の売り上げを目指す。
同社は、ロケーションフロアなどIoT建材を、20日から22日まで同社の展示施設「共創空間「L・IF・E(ライフ)」(東京都台東区)で開く「フォレストフェア」でお披露目する。