欅坂46志田愛佳卒業で見えてきた問題点
2018年11月17日 11:40
紅白歌合戦の連続出場、ひらがなけやきの躍進など、年末に向けて良いニュースが増えてきていた欅坂46。しかしながら、今年の5月から、活動を休止していたメンバーの志田愛佳が卒業することが、運営からの報告でわかった。
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年末発売の欅坂46全体の写真集に掲載されていることが判明し、復帰も近いのではないかという声もあったのだが、まさかの卒業。それも、わずが数行の非常にあっさりとした発表だっただけに、ショックを受けたファンも多かったようだ。
志田愛佳は初期の、まだテレビ慣れしていなかった欅坂46の中では大きな存在感を持っていた功労者の一人。
元々は、渡邊理佐と共に「ザ・クール」と言われ、口数の少ない、Sキャラだったが、サービス精神旺盛で、途中からはムチャブリをふられ、あるいは自ら立候補して笑いを取り、貴重なムードメーカーとして存在感を発揮、さらに平手とも仲が良く彼女のセンターをしっかりと支える縁の下の力持ち的役割も担っていたメンバーだった。
昨年の紅白歌合戦で過呼吸で倒れ、それ以降体調不良に悩まされ、一度は休養。だがその最中に地元の友人たちと遊んでいるところをゴシップ誌に撮られ、大炎上してネットでは大バッシングを受けていた。今回の発表でも、惜しむ声がある一方で、なお叩き続ける人間も後を絶たないのが現実だ。
唯一の救いは、運営からの発表の直後に上がった志田のブログが、非常に前向きなものであったことぐらいだろうか……。
それにしても、乃木坂の卒業ラッシュの中、欅坂も学業で引退する米谷奈々未、タレントとして再出発を選んだ今泉佑唯と、今年だけで3人が卒業していく。
米谷はともかくとして、「皆様の思うようなアイドルになれなくて申し訳ない」という悲痛なコメントを残した今泉、そして休業中からのバッシングで苦しみながら去っていく志田と、どうしても欅坂の卒業は、後味の悪さみたいなものが残ってしまうのはなぜだろう?
一つ考えられるのは、欅坂ならではの全員選抜というシステムではないかということ。
一見、公平なようだが、選抜システムがないということは、逆にアピールの場所やタイミングは過当競争になってしまう。固定センターの平手以外は、誰が誰でもよくなってしまい、自分をアピールするにも、なかなかその機会が得られないということになる。そして、積極的にアピールすると「欅坂らしくない」「スタンドプレイが見苦しい」などとバッシングされ、活動に行き詰ってしまうというのが繰り返されている。
つまり、1番手は不動だが、2番手、3番手が日替わりになってしまい、印象が薄くなってしまうのである。
欅坂のメンバーは本当に魅力的だ。今泉の歌声は、今のダンス重視の路線と双璧になるほどの大きな可能性を感じさせたし、バラエティ番組における志田の存在は外仕事への訴求力が十分に感じられた。
こういったメンバーが、その魅力を充分に知られることなく、あるいは発揮できることなく去っていくのは非常に寂しいし、ファンとしては悔しくもあるのだ。
卒業していくメンバーのこれからの幸せを祈りたい。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る)