ツルハ、バロー、ウェルシアが好調続く ドラッグストア10月売上

2018年11月16日 21:34

 ドラッグストアチェーン各社が10月の売上を発表し、ツルハ、バロー、ウエルシアでは好調な数字が続き、ココカラファイン、キリン堂、サンドラッグ、マツモトキヨシでは売上が回復したことが分かった。

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■ツルハは好調な数字が続く

 10月31日、「ツルハドラッグ」「くすりの福太郎」などを展開するツルハホールディングスが、10月の営業速報を発表した。前年同月比で、既存店売上高が1.1%増、客数が0.7%減、客単価が1.9%増、全店売上高が21.4%増、客数が16.7%増、客単価が4.1%増だった。

 既存店客数でわずかに前期比マイナスとなっているものの、合併効果もあって全店売上は好調な数字(既存店・全店の数字に「ビー・アンド・ディー」分などは含まず)が続いている。なお、10月の開店は16店、閉店は5店で、店舗数は2,021店(店舗数に「ビー・アンド・ディー」の65店は含む)。

■カワチ薬品は既存店・全店ともにマイナス続く

 1日、関東を中心に東北や中部で展開するカワチ薬品が、10月の月次動向を発表した。前年同月比で、連結の既存店売上高が2.2%減、全店売上高が0.7%減、個別の既存店売上高が2.4%減、全店売上高が1.0%減だった。

 連結・個別ともに厳しい数字が続いており、特に既存店売上高は期初である4月にプラスとなったのみで、5月以降は6か月連続で前期比マイナスが続いている。なお、10月の店舗数は331店(カワチ薬局:292店、横浜ファーマシー:39店)。

■ココカラファインは既存店がプラスに

 5日、「ココカラファイン」「セイジョー」「セガミメディクス」「クスリ岩崎チェーン」などを展開するココカラファインが、10月の月次速報を発表した。

 前年同月比で、既存店売上高が2.0%増、うち、ドラッグストア売上高が1.5%増、調剤薬局売上高が4.3%増、全店売上高が6.2%増、うち、ドラッグストア売上高が4.6%増、調剤薬局売上高が14.1%増だった。

 既存店売上高では、ドラッグストアが今期の期初4月(1.1%増)以来の、調剤薬局では今期初の前年比プラスとなっている。なお、10月の出店は6店、退店は3店で、店舗数は1,336店。

■バローはドラッグストアやホームセンターが好調

 8日、ドラッグストア「中部薬品」の他、スーパーやホームセンターも展開するバローホールディングスが、10月の営業情報を発表した。

 前年同月比で、ドラッグストアの既存店売上高が8.1%増、客数が8.2%増、客単価が0.0%減、全店売上高が11.9%増だった。今期、客単価では10月の他に4月(0.5%減)や8月(0.2%減)で、客数では5月(0.4%減)でやや前期比マイナスとなったものの、概ね堅調な数字が続いている。

 また、スーパーでは既存店売上高が2.9%減、全店売上高が2.7%減、ホームセンターでは既存店売上高が10.3%増、全店売上高が10.4%増となっており、ホームセンターが好調な反面、スーパーが苦戦する傾向が続いている。なお、10月の出店は8店、退店は5店で、店舗数は843店(ドラッグストア:376店、スーパー:281店、ホームセンター:36店、スポーツクラブ:123店、ペットショップ:21店、他:6店)。

■ウェルシアは既存店・全店ともに好調

 8日、「ウエルシア」「シミズ薬品」などを展開するウエルシアホールディングスが、10月の月例報告を発表した。前年同月比で、既存店売上高が7.2%増、客数が6.7%増、客単価が0.5%増、全店売上高が12.0%増、客数が13.1%増、客単価が1.1%減だった。

 また、チェーン別売上では、ウエルシア薬局が7.3%増、シミズ薬局が12.6%増、丸大サクラヰ薬局が0.5%増。全店の客単価がわずかにマイナスとなっているものの、合併効果もあって売上高は好調に推移している。

■キリン堂は客数が既存店・全店ともに回復

 14日、近畿地方を中心に関東や四国、北陸に展開するキリン堂ホールディングスが、10月の月次営業速報を発表した。前年同月比で、既存店売上高が3.5%増、客数が2.7%増、客単価が0.8%増、全店売上高が4.6%増、客数が3.3%増、客単価が1.3%増だった。

 前年比プラスが続いている客数に対して、客単価は前年比マイナスとなっていたが、既存店客数は今期初の、全店客数は6月以来の前年比プラスとなったことで、売上増に結びついている。

■サンドラッグは既存店売上が浮上

 15日、「サンドラッグ」「星光堂」とともにディスカウントストア「ダイレックス」を展開するサンドラッグが、10月の月次報告を発表した。前年同月比で、ドラッグストア事業の既存店売上高が1.5%増、全店売上高が4.4%増だった。

 既存店売上高は今期の期初となる4月に0.6%増となって以降、5月から9月まで前期比マイナスが続いていたが、10月に浮上したことで、4月以来の既存店・全店ともにプラスとなった。また、ディスカウントストア事業では、既存店売上高が3.1%増、全店売上高が8.8%増と好調を続けており、グループ全体でも既存店売上高が2.1%増、全店売上高が6.0%増となっている。なお、10月の出店は3店(ドラッグストア2店、ディスカウントストア1店)。

■マツモトキヨシは既存店・FCともに浮上

 15日、マツモトキヨシホールディングスが10月の売上月次報告を発表している前年同月比で、既存店売上高が2.2%増、FC売上高が7.6%増、全店売上高が5.4%増だった。

 FC売上高が8月に0.6%減、9月に2.6%減となったことに加え、既存店売上高も9月に今期初の1.6%減とマイナスになったため、9月の全店売上高は0.8%増と厳しい数字となったものの、10月にどちらも盛り返した格好。今期累計では、既存店売上高が1.4%増、FC売上高が5.3%増、全店売上高が4.0%増と堅調な数字を維持している。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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