ライフネット生命、19年3月期予測を下方修正 増収も赤字幅は拡大

2018年11月13日 22:13

 ライフネット生命【7157】は11日、2018年4月~9月期の決算及び通期(19年3月期)の業績予測を発表した。経常収益は60億9,700万円(前年同期比14.2%増)と増収だったが、経常利益は3億7,600万円の赤字、純利益も3億8,400万円の赤字となった。通期予想も、経常収益は前回予測の123億円から126億円(前期末比14.6%増)としたが、経常利益は、8億円の赤字から16憶円の赤字に、純利益は6億円の赤字から16億円の赤字に、それぞれ下方修正した。なお経営の健全性について同社は保有契約件数が順調に増加していることを挙げ、また赤字になることは現行の会計法上仕方がないものとし、生保業界で指標とされる「修正利益」では黒字で推移しているとした。

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 同社は東京都千代田区に本社を置く生命保険会社であり、2006年10月に設立された。日本では74年ぶりに設立された「独立系」の生命保険会社であった。現在はKDDIが株式の約25%を保有する筆頭株主となっている。

 保険契約の増加によって経常収益は増加したもののそれに伴う諸費用の増加がみられ、広告宣伝費を中心とした営業費用にも積極的な投資を行った。そのため営業費用が17億2,100万円(前年同期比54.3%増)となったことが損失額を大きくした要素だとしている。

 一般的な企業会計では大幅な設備投資や営業活動を行った場合、その費用を単年度で計上せず、減価償却することで費用を分割する。しかし保険会社は新規契約が成立した時、それまでに要した営業費用をその期で費用として計上する必要がある。一方、保険契約は長期的に保険料を徴収するシステムであることが多いため、新規契約者が多い期末は決算上では赤字になることが多い。それに対して保険会社は経常損益から営業費用を差し引いた「修正利益」と呼ばれるものを別途発表することで経営上問題ないことをアピールしている。

 同社においては今中間期の修正利益を13億4,500万円と発表している。これは前年同期比20%の増加で、中間期会計では5期連続の増収であるとしている。その他生命保険会社の経営指標である「EEV」でも上場来20%の成長率を維持しているとしている。また保険会社の財務指標であるソルベンシー・マージン(SM)比率は2,289%とし健全性をアピールしている。(記事:福井廉太・記事一覧を見る

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