日本人の英語力、さらに低下 88か国中49位に

2018年11月9日 09:52

 「日本人の英語能力は低い」、こうした調査結果が発表された。

 情報通信技術、運輸技術の進化とともにグローバル化が加速している。このグローバル化に乗らなければ日本の自立した発展などありえない。グローバル市場で優位を確保するにはグローバルスタンダードにプラットフォームを合わせることが必須だ。グローバルスタンダードはアメリカンスタンダードだ、などと揶揄される。その成否はともかく、日本人の多くが英語を理解しなければならない時代に既になっていることは間違いない。

 これは海外マーケットを相手にする一部のビジネスマンに限ったことではない。訪日客の急増など日本国内においても英語を理解することは日常的に必要なものとなってきている。日本人の英語能力は主要国の中で最下位クラスと言われ続けてきた。政府はこうした状況を受けて英語教育の早期化を実施することを決めていが、すでに世界との格差は大きく開いているようだ。

 世界116か国で語学教育事業を展開するEF(イー・エフ・エデュケーション・ファースト)の日本法人が2日、世界88か国、130万人の英語テストビッグデータから本部が作成した英語能力のベンチマーク「EF EPI英語能力指数2018年版」を公表した。

 今年18年版ではついに、日本の英語能力は全88か国中49位にまでランキングを落とし、世界全体との相対的な英語能力の開きが鮮明となっている。2011年の初版では全44か国中14位であったものの、その後8年連続で下落、ついに評価クラスでは最下位から2クラス目の「低い」に位置づけられた。

 日本より低いと位置づけられているのは概ねアフリカ、中東、南米諸国である。英語能力だけで見れば日本はもはや先進国ではないようだ。トップはスウェーデンで、「非常に高い」、「高い」に位置づけられているのはフィリピンを除いてヨーロッパ諸国である。「標準」とされているのが韓国、香港、インド、ベトナム、ロシアなどだ。

 ちなみに職種別では、法務や経営企画、ITなどの専門職の英語能力がより高い傾向にあり、人事、事務、流通・販売業務では低い傾向がある。

 EFジャパンの代表取締役、サンチョリ・リーは「世界中で英語教育への取り組みが進む中、日本と他国との差が相対的に開きつつある」とコメントしている。(編集担当:久保田雄城)

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