横田空域の開放 2020年訪日外国人4000万人達成へ

2018年11月8日 12:37

 横田基地は日米地位協定に基づく在日米軍基地のひとつであり、東京都の多摩地域に位置する。福生市、立川市、昭島市、武蔵村山市、羽村市そして瑞穂町の5市1町にまたがっているが、その殆どは福生市にある。

 日米地位協定は安保条約に基づき、1960年1月19日に発効したもので、同協定の2、3、6条が横田基地に関するものである。現在日本各地に130カ所の米軍基地が存在し、そのうちの81カ所が米軍専用で残りの49カ所が自衛隊との共用となっている。

 横田基地は、米軍専用の基地であり、1945年米陸軍、旧帝国陸軍が多摩飛行場を接収し、1946年には米軍が東京都の上水道用地を接収し横田飛行場と命名したものである。

 現在、例えば、飛行機で関西方面から羽田空港に行く場合、羽田空港からおよそ50キロ㍍南下して房総半島の端まで行き、そこから左旋回して羽田に向かうコースを取っている。これは、米軍横田基基地が管制権を所有する横田空域を避けるための措置であり、この空域を通過するためには日米間の合意が必要とされる。

 横田空域とは、東京、埼玉、栃木、群馬、神奈川、静岡、新潟、長野、山梨の1都8県の上空にまたがる高度約2400~7000㍍の空間のこと。当該空域を避けて飛行せざるを得ないため、飛行時間と燃料費の無駄が生じていることは否めない。

 最近になり、当該空域を巡る一部旅客機の管制を日本側が行うことで日本政府と米軍が合意する見通しとなったとのことであり、早期の正式合意が待たれる。国土交通省の計画は、都心を低空で飛ぶ新ルート案であり、周辺住民の騒音問題も解決しなければならず予断を許さない状況ではある。

 政府は、オリンピック・パラリンピックの開催に伴い、訪日外国人数を、2020年に4千万人、2030年には6千万人とする目標を設定した。目標達成のためには、大型航空機の導入、各地飛行場の整備、受入れのための環境整備等が必要と思われる。

 上記と併せ、横田空域を通過する羽田新ルートが実現すれば、政府目標に到達できる可能性が広がることになろう。(記事:kan1713・記事一覧を見る

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