スマホで母子手帳 島根県益田市がアプリ導入
2018年11月2日 21:27
島根県益田市は1日、スマートフォンで母子手帳の記録を管理できるアプリ「母子モ♡ますだ」を導入した。同アプリはエムティーアイが開発。母子手帳に記載されている身長や体重、予防接種の記録も保存でき、また写真の添付も可能。ICT技術を活用して市の子育て支援事業をバックアップすることが期待される。
【こちらも】個人向け健康情報管理サービス市場、拡大傾向へ 電子お薬手帳など
益田市に採用された「母子モ♡ますだ」は、スマートフォン・タブレット端末・PCに対応したサービスで、妊産婦と子どもの健康データの記録・管理や予防接種のスケジュール管理、出産・育児に関するアドバイスの提供などの機能を実装する。
育児日記として使用できる「できたよ記念日」は、厚生労働省の母子健康手帳様式例などを元に作成し、母子健康手帳の「保護者の記録」を含む発達段階や子育てにかかわる記念日を写真やメッセージと共に記録できるだけでなく、子どもの成長・発達の目安としての役割も備える。また、離れた地域に住む祖父母など家族との共有機能や、市による地域情報の配信機能など、新たなコミュニケーションツールとしても活用が期待でき、核家族化が進む若い世代にも安心して出産・子育てできる環境づくりの一助となることが期待される。
母子手帳は紙媒体の物がほとんどだが、アプリで管理することで必要な情報が随時記録・確認できるため子育て世代には有益なものとなりそうだ。写真も添付できるため、子どもの成長の様子を記録とともに保存できるのも強みだ。
予防接種については種類が多彩であり受けられる時期もまちまちであるため管理が難しいという側面があった。アプリで管理できればいつ必要な予防接種を受ければいいのかその都度把握できる。アラートも備えているため、必要な時期になれば通知を送って受診を促してくれる。
市から配信される情報としては子ども医療費助成制度や児童手当に関するものもあるため、子育てに関する包括的な情報をアプリ一つで得ることができる。子育てに関する行政の情報を横断的に取得できるという面でも有益と言えるだろう。
子育てに関するアドバイスについても配信されるのが同アプリの特徴だ。妊娠週数や月齢に合わせた育児のアドバイスや食事指導の情報も提供され、市内の育児施設や公園、病院についても紹介されている。母子手帳の枠を超えて育児全体をバックアップできるようになっている。
「母子モ♡ますだ」はAndroid、iOSともに対応可能で、無料で利用できる。開発元のエムティーアイは同アプリについて2020年までに1000自治体への導入を目標として掲げている。
母子手帳と言えば従来は予防接種などの記録としての役割が主だった。しかしアプリとなったことで子供の成長をより記録しやすくし、また祖父母世代とも情報の共有が簡単になる。現代の親世代にとって有益な育児アプリとなりそうだ。(記事:藤原大佑 ・記事一覧を見る)