9月の有効求人倍率は1.64倍、1974年1月に並ぶ高水準
2018年10月31日 16:33
30日、厚生労働省は9月の有効求人倍率(季節調整値)が前月比0.01ポイント増となる1.64倍であったと発表した。1974年1月(44年8カ月前)に記録した1.64倍以来の高い水準で、1.6倍台となるのは5カ月連続となる。また正社員の有効求人倍率は同0.01ポイント増となる1.14倍となり、過去最高(正社員の有効求人倍率は2004年から公表)となった。
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有効求人倍率は、ハローワークに申し込んでいる求職者1人当たりの求人数を示す数値。9月の月間有効求職者数は176万6,027人で、月間有効求人数は272万143人だった。有効求人倍率の高い状況が続く中、求人を減らす企業も出ており、新規求人数は前年同月比6.6%減となる93万1,362人。産業別では「情報通信業」(同13.4%減)、「教育、学習支援業」(同13.1%減)、「生活関連サービス業、娯楽業」(同10.1%減)、「宿泊業、飲食サービス業」(同9.6%減)、「サービス業(他に分類されないもの)」(同9.2%減)などが減少となっている。また、北海道胆振東部地震の影響で外国人の訪日客数が落ち込んだこともあり、一部企業で採用を控える動きが出ていた。しかし、有効求職者数が前月比0.6%減となり、さらに新規求職者数が同14.9%減の41万4,578人となったことにより、今回の結果となった。
都道府県別の有効求人倍率をみると、「就業地別」で最も高かったのは「福井県」の2.20倍で、続いて高かったのが「富山県」の2.19倍、その次が「岐阜県」の2.14倍だった。最低だったのは「北海道」の1.23倍で、以下「高知県」の1.30倍、「長崎県」の1.38倍。「受理地別(他県向け求人を含む)」で最も高かったのは「東京都」の2.18倍で、続いて高かったのが「広島県」の2.14倍、その次が「福井県」の2.09倍だった。最低だったのは「北海道」と「神奈川県」の1.19倍で、以下「沖縄県」の1.25倍、「青森県」の1.28倍となっている。+(記事:荒川・記事一覧を見る)