世界初、火災の中で尖ったものを掴めるロボットハンド 東北大が開発
2018年10月29日 10:59
世界で初めて、炎の中で尖った物体を掴むことのできるロボットハンドが開発された。閣府総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)タフ・ロボティクス・チャレンジの一環として、東北大学の多田隈建二郎准教授、田所諭教授、昆陽雅司准教授、藤本敏彰博士前期課程学生、藤田政宏博士後期課程学生らのグループが研究・開発したもので、火災などの灼熱災害現場への投入が期待される。
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ロボットハンドというものはもちろん過去にも様々な使途・形状・機能のものが開発されている。その一種として袋状のロボットハンドというものがあり、予測不可能なものも含めて様々な形のものを掴むのに適しているのだが、通常はゴムや布などでボディを構築するため、耐熱性が低く灼熱の環境下には投入できないという難点があった。
そこで開発された今回のロボットハンドは、数珠のような指を放射状に配置することで、破けるということは原理的に発生し得ない構造を確立した。これにより高い対切創性に、数珠のピースを金属素材にすることで非常に高い耐火性と柔軟性を両立し、灼熱環境下で尖ったものを扱えるロボットハンドを開発したというわけである。
このロボットハンドは、プラント爆発による灼熱の環境下などで、高温の物体、破損したバルブ、不定形に割れたガラス、建築物から飛び出した釘や鉄条網など、従来のロボットなどでは対応不可能であった、高温の、不定形の、脆弱軟弱な物体を掴むことができるとともに、さらに放水銃をロボットハンドの中央に設けることで瓦礫や扉・蓋をこじ開け、先にある火元に直接消火剤をかけるなどの運用も可能性としては見込めるという。
また、このロボットハンドは軽量であるので、災害対応用ヘビ型ロボット、脚型ロボットなどの、様々ンプラットフォームに搭載することが可能であるとのことだ。
本研究に関連して、11月2日、福島ロボットテストフィールドにおいて開かれる評価会で実機によるデモンストレーションが行われる。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)