太陽光発電量が増えても既存の発電所を止められない理由

2018年10月25日 08:38

 太陽光発電による発電量が増えている九州電力では、今月に入って供給が需要を上回る状態がたびたび発生しており、そのため太陽光発電の受け入れを一部停止する出力抑制が複数回行われている(過去記事朝日新聞)。

 こういった状況のなか、太陽光発電による電力を有効に利用するために原子力発電所の運転を停止させるべきだという声も出ているが、こういった方策はコスト面や電力の安定供給の面で問題があるとの意見がWedgeに掲載されている

 特に問題とされているのは、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーは発電量が状況によって変化するため安定供給が難しいという点だ。そもそも太陽光発電は昼間しか発電できないため、揚水発電や蓄電池などを利用して昼間の余剰電力を蓄えておく運用が行われるが、これらには維持運用コストがかかるほか、一定の電力損失も発生するといった問題がある。

 また、海外では再生可能エネルギーへの移行によるトラブルも発生している。たとえば米カリフォルニア州では太陽光発電の増加で電力網に負荷が発生しているほか、オーストラリアでは電気料金の高騰や大規模停電などが発生している。単純に電力が余ったから既存の発電所を止めれば良い、というわけではないようだ。

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