機長、オセロ新王者を祝福 「アドリブ・アナウンス」でサプライズ
2018年10月24日 21:25
10月17日付の読売新聞朝刊によれば、『チェコで開催された第42回世界オセロ選手権で最年少優勝記録を更新した小学5年福地啓介君(11)に、帰国便の全日本空輸(ANA)がサプライズ祝福し、話題になっている』とのことである。
記事によると、10月14日午後、ドイツ・デュッセルドルフ空港で、機長の谷田邦彦さん(51)が「オセロの世界チャンピオンがこの飛行機をご利用いただいています」と機内アナウンスを行った。谷田機長は、1982年の第6回大会で15歳という年齢にて最年少優勝記録を打ち立て、福地君が今回更新するまでの記録保持者だった、とのことである。
谷田機長は、福地君が今大会で最年少優勝記録を更新したことを祝福するとともに、自分がそれまでの最年少優勝記録保持者であることも明かした。
デジタル大辞典によれば、機長とは「航空機の乗務員の最高責任者。運行中の業務に関して指揮・監督する。ふつう民間機では正操縦士が兼ねる」となっている。
ある航空関係者によれば、機長の機内アナウンスは機長の判断で行い、乗客の安全に関すること、天候のこと、機外の景色のこと、現地到着時間のこと、到着地点の情報などについてアナウンスするが、これとは別に機長の「アドリブ・アナウンス」があるという。
今回ANAは谷田機長の搭乗シフトを変更して福地君が乗る便に配置するという「粋な計らい」を行い、谷田機長はこのアドリブ・アナウンスにおいて、福地君の功績を祝福した。
機内の同乗者は、オセロの最年少優勝記録を達成した福地君が同乗していることに驚き、機内アナウンスをした機長が以前の最年少記録保持者であったことにもさらに驚かされたことであろう。
特にフライト時間の長い国際線の航空機内では、映画鑑賞、読書、睡眠以外は退屈でもあり、こうした心温まるアナウンスは機内の雰囲気を和ませ、良き旅の想い出にもなるであろう。日本の機長のアナウンスは内容がパターン化されており、殆どの人が聞き流していると言われている。
機長の基本的な任務とは、乗客と乗員の安全確保が第一であり、悪天候、出発の遅れなどのイレギュラー発生時の情報提供等であるが、今回の谷田機長のアナウンスのように、もっと「アドリブ・アナウンス」にも力を入れ、乗客・乗員をも楽しませる工夫も求められるのではないだろうか。(記事:kan1713・記事一覧を見る)