政治関連の動向や、米決算、米7-9月期GDP速報値をしっかりチェック! 住信SBIネット銀行(三井智映子)
2018年10月23日 14:13
*14:13JST 政治関連の動向や、米決算、米7-9月期GDP速報値をしっかりチェック! 住信SBIネット銀行(三井智映子)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター三井智映子の「住信SBIネット銀行の気になるレポート」です。
先週はサウジアラビアの反体制記者ジャマル・カショギ氏がイスタンブールのサウジ総領事館内で殺害されたとの疑惑から、米国とサウジアラビアの関係悪化が懸念され、リスクオフの流れからスタートしました。
週間で見てみますと、ダウ平均は小幅に反発したものの、ナスダックは3週続落となっています。注目された9月分のFOMC議事要旨では、米国経済は想定通りに成長していると判断されており、利上げ路線継続との意向を示しました。また、政策金利の水準をどこまで引き上げるかを巡っては、複数の委員が金融政策を引き締め気味にする必要があるとし、一時的に中立金利を上回る水準に上げるとの見方を示したようです。それが今後、想定以上に政策金利を引き上げられる可能性があるとの懸念につながったとみられています。
また、米国財務省が公表した為替報告書では、中国の為替操作国認定が見送られました。先週発表された米主要企業の決算においては、19日に発表されたP&Gやアメリカンエキスプレスの市場予想を上回る好決算など、米企業の業績は概ね好調といえます。
気になる中国市場を見てみますと、上海総合指数は米国株の急落に合わせてさらに下落。週間では2.2%下落となっています。注目された中国の7-9月期の国内総生産(GDP)は+6.5%と2期連続で減速となり予想を下回ったものの、中国規制当局が景気支援の方針を打ち出したことが好感されました。
住信SBIネット銀行の「ウィークリーレポート」では、先週19日のNY市場について『英EU離脱問題に関し、メイ首相がアイルランド国境問題で主張してきた要求を取り下げる用意があるとの発言が報じられ、離脱交渉進展期待を背景にポンドが対ドルで1.3104ドルへ、対円で147円34銭へ反発』と伝えています。織り込まれていたソフトブレグジットからハードブレグジットの可能性が出てきており、目が離せない状況です。
では、今週のマーケットはどうなるのでしょうか?
同レポートではまず、日本株について『米長期金利上昇のほか、複数の政治的な懸念材料が台頭したことによるNY株式市場の調整や上海株もおよそ4年ぶりの安値まで下落するなど米中貿易問題長期化懸念と同時に中国の景気減速懸念も聞かれ、日経平均株価は先週末時点で今年8月以来となる一時22,200円台前半まで下落しています』と指摘しています。
欧州圏については、英国EU離脱問題について、『当初期待されたEU首脳会議での大筋合意に向けた交渉がアイルランド・北アイルランドとの国境や税関設置を巡り事態打開へ向かうのか、来年3月29日に期限が迫ったEU離脱が合意のないハードブレグジットの可能性も現実味を増しつつあります』と伝えるほか、『イタリアの財政問題を背景に核付け機関ムーディーズがイタリアを格下げするなど引続きイタリアの財政問題を巡るユーロの動向も注目されます』と考察しています。
加えて、『今週25日のECB理事会で、こうした懸念が欧州経済の先行きに影を落とす可能性に言及することになればユーロやポンドが一段と下落する可能性もありそうです』と分析しています。
また、サウジアラビアのジャーナリストがトルコの領事館で殺害されたという疑惑について、『サウジアラビアで開催の国際的な会合に先進国が相次いで欠席を表明するなど影響が広がっています』と伝えています。続けて、『米国にとって最大の武器輸出国であるサウジアラビアとの関係悪化となれば中東情勢の不安定化といった地政学リスクが高まる事態に発展する可能性があるほか、米防衛産業への受注減の思惑を背景にNY株式市場の下落要因になりかねず、リスク回避志向が高まることになるかもしれません』との見解を示しています。
こう考えると懸念や注視すべき事項が多いように感じますね。レポートではこうしたなか、『政治関連の動向が目まぐるしく動く中でNY株式市場が落ち着きを取り戻すことができるか最大の焦点となりそうです』と分析しています。
今週は注目される米7-9月期GDP速報値の発表や、アルファベット(グーグル)、アマゾンなどの決算が予定されています。経済イベントが注目されるなか、ドル/円の値動きについては『112円台前半での底堅い値動きを続け、113円台、114円台へと上昇基調を再び強めることが出来るのか注視が必要です』と示唆しています。
今週は注視すべきことが多いですが、今後の市場の流れを占うことになるかもしれませんね。しっかり確認してまいりましょう。
上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「ウィークリーレポート」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。
フィスコマーケットレポーター 三井智映子《HH》