富士フイルム、数km先まで瞬時に捉えるレンズ一体型望遠監視カメラを開発
2018年10月22日 16:20
富士フイルムは、焦点距離20~800mmの望遠FUJINON レンズを搭載した、レンズ一体型の遠望監視用カメラ「FUJIFILM SX800」(以下SX800)を開発し、2019年前半に発売して監視カメラ市場に新規参入すると発表した。SX800は、オートフォーカス(以下AF)機能の付いた超望遠ズームと、±0.22度の補正角の防振性能により、強風の影響を受けやすい高所に設置しても、数km先の対象物まで鮮明な映像として瞬時に捉えることができる。また、陽炎・霧軽減機能も有しており、従来を大幅に上回る高精度な遠方監視の実現に寄与するという。
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空港、港湾、高速道路などの大規模公共施設・設備では、遠方を監視できる遠望監視用カメラの導入が進んでいる。しかし、従来品は、「高所設置では強風による揺れの影響を受けやすい」、「陽炎・霧で視認性が低くなる」、「ピントを合わせるのに時間がかかる」などの課題を抱えていた。そこで、富士フイルムは、同社のレンズ等の光学機器開発技術と、画像処理技術を活用してレンズとカメラを一体とした遠望監視用カメラを開発、従来品の課題を解決した。
SX800は、後群の小口径レンズを高速で駆動させるリアフォーカス方式を採用し、像面位相差AFとの組み合わせることで、最短約1秒の高速AFを実現した。前群の大口径レンズを駆動させる従来方式では、AFに数秒から10秒程度かかっていたが、大幅な短縮となった。また、新規に開発した光学防振システムを搭載することで、日常的に揺れが発生する高速道路などでも鮮明な画像が得られるようになった。陽炎・霧軽減機能は、補正アルゴリズムと、高速演算処理が可能な画像処理エンジンを開発し、陽炎・霧を高精度に検出、リアルタイムで補正、クリアな映像を実現することに成功した。
SX800は、10月23日~26日に北京で開催される「Security China 2018」に出展される。