化粧品素材市場は堅調に拡大、自然由来など「再生可能」を謳う製品が好調

2018年10月18日 21:57

 TPCマーケティングリサーチは17日、化粧品素材市場について調査結果を発表。17年度の化粧品素材市場は前年度比1.1%増の1,711億円、18年度は17年度比1.0%増の1,728億円(見通し)と堅調な伸びを示しているという。

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 なかでも「再生可能」を謳った製品が市場をけん引。化学合成素材を避け、植物由来や菌類由来といったオーガニック系が人気となっている。具体的には、植物エキスや発酵エキスという有用成分や植物油などが挙げられるという。

 その他、エイジングケア・美白ケア成分では「ヒアルロン酸」が好調。高価格でありながらもコラーゲンに次ぐ美容成分として、市場は拡大傾向にあるという。さらに18年6月に海岸漂着物処理推進法が改正されたことから、海を汚染するマイクロプラスチックに替わる新たな素材の伸長が期待されている。

■化粧品素材の分野別構成比(17年度)

 分野別ではスキンケアが構成比46.3%と最大、ヘアケアが同36.1%、メイクアップが同17.7%と続いている。

 スキンケアは前年度比1.4%増と堅調に拡大。植物由来成分を中心に展開する日光ケミカルズや日本精化、一丸ファルコスといった企業が市場の拡大に大きく貢献しているという。ヘアケアは同0.5%増。川研ファインケミカルや高級アルコール工業など、こちらも植物由来を強みとする企業の製品が出荷量を伸ばしている。

■化粧品素材の企業別シェア(17年度)

 企業別シェアでは日油が構成比8.7%の148.5億円とトップ。以下、日光ケミカルズが同5.5%の93.5億円、BASFジャパンが同5.0%の85億円、日本精化が同4.4%の76億円、東邦化学工業が同4.0%の68億円、川研ファインケミカルが同3.5%の60.5億円と続いている。

 なかでもBASFジャパンは前年度比14.9%増と大きく伸長。紫外線散乱剤の大手メーカー撤退により、同分野のシェア拡大が背景にあるという。

 その他、特筆すべき企業は一丸ファルコスやエボニックジャパン。両社はマイクロプラスチックビーズ代替素材や環境配慮型スクラブ剤の開発・提案に注力。地球環境に配慮する化粧品メーカーへの要望に応え、洗顔料やボディソープといった製品への配合にて存在感を高めつつあるという。

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