ホンダジェットに「パフォーマンスパッケージ」導入 航続距離など性能向上
2018年10月17日 08:42
■新たな型式証明取得と パフォーマンスパッケージの導入
ホンダの航空機事業子会社、ホンダ エアクラフト カンパニー(以下HACI)は、アメリカのフロリダ州オーランドで開催される世界最大のビジネス航空ショー「ナショナル ビジネス アビエーション アソシエーション2018」において、インドにおける型式証明取得したことと同時に、従来モデルに適用できる「ホンダジェットAPMGパフォーマンスパッケージ」を発表した。はたしてジェット機の「パフォーマンスパッケージ」とはどんなものなのか。
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■8カ国目はインド、次はいよいよ日本か
HACIは、インド民間航空局から2018年9月に小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」と最新型「ホンダジェットエリート」の型式証明を取得した。これはアジア圏で初となる型式証明の取得で、これまで取得した米国、欧州、メキシコ、カナダ、ブラジル、アルゼンチン、パナマに続いて8カ国目となる。そして、現在は中国と日本での型式証明の申請を行っている。
■パフォーマンスパッケージを発売
今回HACIが発売する、「ホンダジェットAPMGパフォーマンスパッケージ」は、これまで発売した従来モデルのホンダジェットの購入後に、その性能をより一層向上させることを目的としており、主に機体性能とシステムインテグレーションを中心に、既存機の性能の向上や最新機能の開発を行う。
■空のパフォーマンスアップは航続距離の延長が命
機体の購入後に性能を向上させる商品の開発は、ホンダジェットの利便性を高め、ユーザーの移動の可能性をこれまで以上に広げることに繋ることになる。車の場合のパフォーマンスアップというとパワーアップが主になるが、航空機の場合は同じように最高速度の向上もさることながら、航続距離の延長ということが最大のパフォーマンスアップとなる。これなどはEVの航続距離とよく似ている。
また、今回航続距離が約200㎞伸びたことで、目的地が増え、離陸に必要な滑走路の距離が短くなったことで、利用できる空港の選択肢も多くなっている。まさに空のパフォーマンスアップといえるパッケージで、ホンダジェットの所有者はぜひとも導入したいに違いない。
■ホンダジェットAPMGパフォーマンスパッケージによる性能の向上
・機体の空力性能の改善により、空気抵抗を低減し、最大離陸重量を1万600ポンド(4,808kg)から1万700ポンド(4,854kg)へ増加
・航続距離を平均100~120ノーティカルマイル(185~222km)延長
・搭載する旅客、貨物などの重量であるペイロードを100ポンド(45kg)増加
・主翼、水平尾翼の空力性能改善により、離陸距離を3,934フィート(1,199m)から3,491フィート(1,064m)へ短縮
・Garmin G3000アビオニクスのソフトウェアをアップデートし、機体の操縦性や安全性う強化(記事:田中秀雄・記事一覧を見る)