数週間以内に有人宇宙旅行実験を実施 ヴァージングループ創業者が明らかに

2018年10月12日 11:19

 米ヴァージン・ギャラクティックのリチャード・ブランソン会長は9日、米ニュース専門放送局CNBCのインタビューで、数週間以内に宇宙への有人飛行実験を実施すると答えた。

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■宇宙事業に参入するヴァージングループ

 英国の実業家であるブランソン氏は1972年にレコードレーベル「ヴァージン・レコード」の創業を機に、立て続けに事業を拡大した。1984年には英航空会社のヴァージン・アトランティックを、2004年にはヴァージン・ギャラクティックを創業、宇宙事業に参入した。

 航空宇宙製造を行うザ・スペースシップ・カンパニーや小型人工衛星打ち上げに従事するヴァージン・オービットといった関連会社とともに、ヴァージン・ギャラクティックは宇宙旅行用の宇宙船の開発を行う。2003年には世界初の民間宇宙船スペースシップワンの飛行を成功させ、現在はスペースシップワンを改良したスペースシップツーを開発中だ。

 CNBCのインタビューの中でブランソン氏は、「地球の大気圏外に記念すべき最初の飛行を実施する日はもう間もなくだ」と答えた。数週間以内には、宇宙に向けて有人飛行実験を行うという。同インタビューで、1人当たりの乗船料が25万ドルかかることも明らかになった。

■民間宇宙事業に参入する大手企業は多数

 民間宇宙飛行事業に着手するのは、ヴァージン・ギャラクティックだけではない。AmazonのCEOジェフ・ベゾフ氏率いるブルーオリジンや、テスラのCEOイーロン・マスク氏によるSpace Xなど競合相手は多い。Space Xはすでに米航空宇宙局(NASA)の協力のもと、同社が開発したクルードラゴンを2019年4月に打ち上げる予定だ。

 今回のCNBCのインタビューで明らかになったのは、ヴァージン・ギャラクティックが有人宇宙飛行を数カ月以内に実施することだ。Space XとNASAによる最初の有人宇宙飛行も延期が続く中、民間宇宙事業の覇権争いはますます激しさを増すだろう。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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