エリーパワーや東電ら、蓄電池を用いた大規模VPPの実証試験を開始

2018年10月12日 11:02

 エリーパワーは、東京電力ホールディングス、関西電力ほか国内9社と連携して、大規模バーチャルパワープラント(仮想発電所、以下VPP)構築の実証試験を10月より開始した。VPPは、蓄電池などの分散電源をIoT技術といったエネルギーマネージメント技術で統合制御することで、発電所のように機能させる仕組みで、今回の実証試験では、東電及び関電がアグリゲーションコーディネーターを、エリーパワーはリソースアグリゲーターを担当する。

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 実証試験では、東電及び関電が統合制御するACの基幹システムからの指令に基づき、9社400台超および一般家庭最大80棟に設置された、合計約500台(蓄電容量1.6MWh/出力780kW相当)の蓄電池の充放電制御を行う。また、日本では初となるケースとして、同じ建物内に分散設置した可搬型蓄電システム数百台の同時制御も実施する。実証試験は、10月から2019年2月までの予定で実施される。

 これまでのVPPは、コンテナレベルの大型蓄電システムを用いていたため、既築ビルへの追加設置は難しかったが、今回の実証試験では、BCP対策として既に導入されている多数の蓄電システムを同時制御することでコンテナレベル仮想大型蓄電システムと同等の性能を実現するもので、数百kWのVPP制御とともに、建物単位でのピークカット、ピークシフトが可能となる。

 エリーパワーは、2010年より蓄電システムに通信機器を搭載し、遠隔によりシステムの稼働状態をモニターするサービスを提供しており、3万台を超える蓄電システムを出荷している。将来的にはこれらをVPPに活用することで電力の需給調整に役立てるとともに、様々なサービスを提案していくという。

 今回の実証試験は、経済産業省資源エネルギー庁の補助事業「平成30年度需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業費補助金」を活用して実施される。

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