アウディ、5シーズン目のフォーミュラEマシン「Audi e-tron FE05」発表
2018年10月10日 21:52
電動マシンで戦われる「FIAフォーミュラE選手権」の新しいシーズンが、12月15日にサウジアラビアのディルイーヤで開幕する。シーズン5となる今シーズンから同シリーズの航続距離が伸びたことを受け、アウディは、新開発の「Audi e-tron Fe05」を発表し、昨シーズンと同様、ドライバーのダニエル・アプトとルーカス・ディグラッシが再びタイトル獲得に挑戦することとなる。
■乗り継ぎ無し、1台のみで走り切る新シーズン
新しいシーズンは、フォーミュラE史上もっとも革新的なマシンで争われる。リチウムイオンバッテリーのバッテリー容量は52kWhとなり、バッテリーが45分間のレースを走り切るだけの容量を備えるために、これまでのように2台を乗り継ぐことなく、1台のマシンのみを使用して決勝レース行なわれる。
アウディは、「Audi e-tron FE05」の開発にあたり、特に心臓部となるモーター、インバータ、ギヤボックス、リヤサスペンションコンポーネントなど、ドライブトレインに焦点が当てられた。また、それ以外の部分は全チーム共通のため、各メーカーは、独自のドライブトレインによって技術力を競うことになる。
アウディは、2018年7月中旬にニューヨークで開催された4年目のシーズン最終戦でチームタイトルを獲得し、「Audi e-tron FE04」がもっとも優れたマシンであることを証明。今回発表された後継マシンは、タイトルを獲得したこのマシンの進化形となる。
■世界12都市の市街地で開催されるフォーミュラE
5年目を迎えるフォーミュラEの新しいシーズンは、世界12の都市で、13のレースが計画されている。
開幕戦はサウジアラビアのディルイーヤで、最終戦は2019年7月中旬にニューヨークとなる。さらに、マラケシュ(モロッコ)、メキシコシティ(メキシコ)、香港(中国)、ローマ(イタリア)、パリ(フランス)、モナコ、ベルリン(ドイツ)でレースが開催される。
■ヴァージン・レーシングも同じマシンで参戦!
2018/2019シーズンは、アウディワークスチームの「チーム・アウディ・スポーツ・アプト・シェフラー」に加えて、初めてイギリスのヴァージン・レーシングが「Audi e-tron FE05」で参戦する。
「チーム・アウディ・スポーツ・アプト・シェフラー」は、シーズン1以来、ダニエル・アプトとルーカス・ディグラッシの2人のドライバーと共にシーズンを戦い、ディグラッシは、3年目のシーズンにドライバーズタイトルを獲得。2017/2018シーズンのランキングは、ディグラッシが2位で、アプトは5位だった。
■新シーズンからは日産も参戦
100%EVで戦われる「FIAフォーミュラE選手権」は、環境に優しく最先端技術であるEVでのレースということと、大都市の市街地で行われるということで、人気が高まっている。マシンの性能差が出ないように細かなルールが適用されているので、メーカーがパワーユニットに独自の性能を持たせることが出来る範囲はわずか。
このレースで好成績を示すことで、市販車、特にこれから登場するEVやPHVなどの販売に直結するだけに、多くのメーカーが参戦。新しいシーズンは、日本からは日産が参戦、アウディとのバトルが注目されている。(記事:田中秀雄・記事一覧を見る)