たばこ税増税、今後も販売は減少か

2018年10月7日 22:17

 2018年8月の紙巻きたばこ販売数量は118億本、販売代金は2,580億円であった事を日本たばこ協会が発表した。この販売数量は前年同月比10.9%減、売上代金は10.3%減であり、29カ月連続で前年同月を下回っている。

 煙草の販売数量については年々減少の一途を辿っている。販売数量が3,483億本だったのはたばこの需要がピークに達していた1996年度の事であるが、現在ではその半分にまで落ち込んでいる。一方で販売代金については販売本数よりも落ち込みが緩やかだ。1箱当たりの料金が上がっているため販売本数ほどの影響が数字上には現われていない。

 たばこの値上げは喫煙者にとって嬉しくないニュースとなるが、2018年10月からは再びたばこ税の増税が行われた。1本当たり1円の増税となる。それに伴い日本たばこ産業でもたばこの値上げを決定し、440円から480円に改定されたのはたばこの代表格とも言えるメビウスだ。

 たばこ税は今後も更に増税される予定となっている。喫煙者の懐事情はますます厳しくなっていく事が予測されるだろう。しかし値上げを好ましく思わない喫煙者がいる一方、現状で煙草を購入していない非喫煙者からは多くの歓迎の声も挙がっている。たばこ税増税について賛成と回答したのは全体の7割にも上り、こうした結果からも喫煙者の肩身の狭さが窺える。

 たばこ産業の調査によれば、1966年は男性の喫煙率がピークだった。83.7%まで上昇した当時の喫煙率と比べ、2018年の喫煙率は27.8%にまで減少している。ただし現在でも年代別に見ると30代から50代の働く世代については喫煙率が35%前後で推移しており、ストレス社会の中でたばこを手放せずにいる現状を推測させる。

 喫煙者の方針を聞くと今後もたばこはやめないとの声も多い。しかし値上げによる喫煙本数の減少が続いていく可能性は高いだろう。受動喫煙防止を強化している東京都では、20年の東京オリンピック開催に合わせて飲食店の原則的な全面禁煙を予定している。諸外国に比べれば依然として喫煙率が高い傾向にある日本だが、健康志向の高まりなどからたばこ離れが進んでいる事も事実だ。

 全面禁煙が掲げられるのは時代の流れとして捉えられている風潮もある。現状を見る限り今後ますます喫煙者が減少していく事は避けられないだろう。(編集担当:久保田雄城)

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