JR東日本、「事故の歴史展示館」を拡充 事故から得た貴重な経験を継承

2018年10月5日 08:57

 JR東日本は、グループの社員が過去の事故を忘れることなく、より深く過去の事故の教訓を学ぶことを目指し、社員用の施設である「事故の歴史展示館」を拡充する。

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 事故の歴史展示館は、2002年11月にJR東日本総合研修センター内に開設された、過去の事故の概要や対策を当時の新聞記事と併せてパネルで展示したグループ社員用の施設。可視化した資料からは事故の臨場感や緊迫感を感じとることができ、まさに“事故から学ぶ”取り組みには最適であった。

 今回、研修センター内に建屋を新たに設け、教育内容をさらに充実させ、より深く過去の事故の教訓を学んでいくこととなった。事故の概要や対策をより深く理解するため、デジタルサイネージを活用。事故当時の実記録の展示や事故の対応などに携わった人たちの証言動画等も用意して、事故を臨場感とともに感じられるようにする。また、事故の実物車両も展示し、社員一人ひとりが事故に至った要因をさまざまな面から考察できるようにするという。

 野球の試合でも、勝ち試合より負け試合のほうが、何が敗因につながったか、どうすべきだったか、次に何をすべきかを熟慮、考察し、実行しやすい。これと同じ論理で、事故の発生した状況等を可視化し、リアルに再現することにより、身をもって事故の発生状況や原因を感じとることができる。事故に対応した人の証言を聞くことで、疑似体験することができるのだ。身をもって知るということが事故の再発を未然に防ぐことにつながるという考え方だ。

 『安全』を経営のトッププライオリティと位置づけて取り組んできたJR東日本では、グループ経営ビジョン「変革2027」でも、“社員一人ひとりの安全行動と安全マネジメントの進化”を図り、「究極の安全」に向けて、さらなる安全の取り組みを推進している。「事故の歴史展示館」もこうした取り組みの一つに挙げられる。

 拡充した施設の稼働は10月から。「安全システムの歴史や作業ルールが決まった経緯」「事故防止の考え方」「お客さま等の命を守ることの重要性」等を、JR東日本の社員およびグループ会社や関係会社の社員等が座学と併せて学ぶ予定だ。(記事:M_imai・記事一覧を見る

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