NYの視点:米9月雇用統計に期待、12月の追加利上げを後押し

2018年10月4日 07:38


*07:38JST NYの視点:米9月雇用統計に期待、12月の追加利上げを後押し
米国労働省はワシントンで5日に最新9月の雇用統計を発表する。市場のエコノミストは、非農業部門雇用者数が前月比+18.1万人と、再び20万人割れとなると見ている。ただ、先行指標の中でも、雇用統計と最も相関関係が強いとされる民間部門の雇用をあらわすADP雇用統計の9月分は前月比+23.0万人と、予想外に再び20万人台の伸びとなり、増加幅が2月来で最大を記録した。

米国経済の7割を消費が占めるため、注目される米供給管理協会(ISM)非製造業景況指数の雇用は62.4。8月の56.7から上昇し、雇用指数が導入された1997年以降、過去最高に達した。また、米労働省が発表した週次新規失業保険申請件数も引き続き低水準で、1969年以降49年来の低水準付近で安定している。製造業の雇用も強い。ISM製造業景況指数の雇用は58.8と、8月58.5から上昇し、59.7となった2月来で最高となった。

雇用統計の先行指標は軒並み強い結果を示唆している。もし、非農業部門雇用者数が予想外に再び20万人台の増加となった場合、本年あと1回の利上げや来年3回の利上げ見通しを後押しし、一段のドル買いに繋がると見る。

焦点は引き続き賃金となる。平均時給は前月比+0.3%、前年比+2.8%と、8月+0.4%、+2.9%から小幅鈍化が予想されている。FOMCの見通し通り、賃金は依然、労働市場の過熱を示しておらず、緩やかな利上げペースを押し上げる必要もない。

■9月雇用統計の先行指標

・米ADP雇用統計:
前月比+23.0万人(予想:+18.4万人、8月:+16.8万人←+16.3万人)

・ISM製造業景況指数:雇用:58.8(8月58.5) 、2月来で最高

・ISM非製造業景況指数:雇用:62.4(8月56.7)、過去最高

・NY連銀製造業景況指数:
雇用(現状):13.3(8月13.1、6カ月平均12.9)
週平均就業時間:11.5(8月8.9、6カ月平均11.0)

6か月先
雇用:14.7(8月18.0、6カ月平均19.5)
週平均就業時間:−1.6(8月0、6カ月平均2.1)

・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
雇用(現状):+17.6(8月+14.3、6カ月平均+22.7)
週平均就業時間:+14.6(8月+10.7、6か月平均+19.9)

6か月先
雇用:31.7(8月32.1、6か月平均33.8)
週平均就業時間:10.8(8月15.2、6か月平均13.7)

・リッチモンド連銀製造業景況指数
雇用(現状):16(8月25)
週平均就業時間:19(8月16)
賃金::33(8月27)

6か月先
雇用:23(8月28)
週平均就業時間:12(8月13)
賃金::45(8月43)

・消費者信頼感指数(%)

雇用(現状)
十分:45.7(8月42.3、前年同月32.7)
不十分:41.1(8月45.6、前年同月49.3)
困難:13.2(8月12.1、前年同月18.0)

雇用(6か月先予想)
増加:22.5(8月21.5、前年同月19.2)
減少:11.0(8月13.2、13.0)
不変:66.5(8月65.3、67.8)

所得(6か月先予想)
増加:22.6(8月25.4、前年同月20.5)
減少:6.5(8月6.9、8.6)
不変:70.9(8月67.7、70.97)

・失業保険申請件数

件数 前週比 4週平均 継続受給者数
09/22/18| 214,000| 12,000| 206,250 |
09/15/18| 202,000| -2,000| 206,000 | 1,661,000
09/08/18| 204,000| -1,000| 208,000 | 1,645,000
09/01/18| 205,000| -8,000| 210,000 | 1,700,000
08/25/18| 213,000| 3,000| 212,250 | 1,711,000
08/18/18| 210,000| -2,000| 213,750 | 1,710,000
08/11/18| 212,000| -2,000| 215,500 | 1,728,000
08/04/18| 214,000| -5,000| 214,500 | 1,729,000

■市場予想
失業率:3.8%(8月3.9%)
非農業部門雇用者数:前月比+18.1万人(8月+20.1万人)
民間部門雇用者数:前月比+18.0万人(8月+20.4万人)
平均時給:予想:前月比+0.3%、前年比+2.8%(8月+0.4%、+2.9%)《CS》

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