ガソリンスタンド売上高、17年度は3年ぶりに増加 帝国データバンク調べ
2018年9月30日 15:46
ガソリン需要の縮小傾向にともない、スタンド数が年々減少するなか、ガソリンスタンド経営業者の実態を把握するべく、帝国データバンク(東京都港区)が調査を実施した。その結果によると、ガソリンスタンド経営業者の2017年度売上高合計は3年ぶりに増加。大手企業が全体をけん引していることがわかった。
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■2017年度の売上は8兆8,660億3,300万円
ガソリンスタンド経営業者(8,581社)の2017年度の売上高合計は、前年度比7.2%増の8兆8,660億3,300万円。3年ぶりに前年度を上回った。
過去10年間における推移をみると、リーマンショックの影響で原油価格が下落した2009年度に前年度比17.5%減の7兆5,261億600万円となった後、2014年度にかけては5年連続で増加。14年度の売上高合計は、過去10年間でピークとなったが、その後は2年連続で減少していた。
■年商規模は「1億~10億円未満」が最多
年商規模別では、「1億~10億円未満」が5,657社と全体の66.0%を占めた。次いで「1億円未満」(構成比22.2%、1,907 社)、「10億~50億円未満」(同9.2%、790社)、「50億~100億円未満」(同1.4%、117社)となった。
■年商50億円以上の大手企業が全体を押し上げ
2017年度の売上高動向をみると、年商「50億~100億円未満」では増収の構成比が90.4%、「100億円以上」で87.4%を占めた。一方、年商「10億円未満」では減収の構成比が高く、とくに「1億円未満」では減収が増収を上回った。全体では、増収32.8%、横ばい45.8%、減収21.4%という結果だった。
■倒産件数は減少基調も、2018年度累計は前年同期比200.0%増
2000年度以降の倒産件数推移は、2008年度の65件をピークに減少基調。2016年度と2017年度はピーク時の2分の1以下となった。しかし、2018年度4~8月の倒産件数は、前年度を大幅に上回るペースで推移しており、すでに前年度年間の30件の半分となる15件となっている。(記事:西舘妙子・記事一覧を見る)